国内セキュリティー産業の成長を目指す「日本サイバーセキュリティ産業振興コミュニティ(NCPC)」が12月9日、設立された。セキュリティーベンダーや支援する企業など45社が協賛。国内セキュリティー製品の認知度や産業競争力の向上を図る。官民連携も強く促し、経済安全保障の強化に貢献する。
発足式に参加した協賛企業の関係者
ソフトウェア協会(SAJ)が事務局となるが、参加企業の協会加盟の有無は問わない。新団体の萩原健太代表(GOFU代表取締役、SAJ副会長)は「SAJのコミュニティー活動を活性化する中で、セキュリティーに取り組もうと設立に至った」と説明した。
参加要件について一般会員(セキュリティーサービスの開発、提供)は国内に本社および主要な開発拠点を有する法人など、特別会員(支援、連携組織)は「サイバー犯罪に関する条約(ブダペスト条約)」締結国に本社を置く法人などとしている。運営は代表、事務局のほかに副代表(中本琢也・エムオーテックス取締役)、運営委員8人の体制。
活動は製品マップ・スコアリングやASEANを中心とした海外展開に向けた「マーケティング」、各製品の設定ガイド集約やベンチマーク作成を担う「ソリューション」、政府機関への提言や連携を行う「ロビーイング」、協調を活性化する「コラボレーション」の4分科会で展開する。将来的には省庁間連携の最適化の促進や、脆弱性研究・対応拠点、民間企業によるサイバーレスキュー隊の創設、東南アジアのイベントでのジャパンパビリオンの出展などを進める。
発足式のパネルディスカッションでは、グローバルに比べて「小粒」な規模感が多い国内専業ベンダーの連携の必要性や、サポートや運用の強みを生かすことが重要といった意見が交わされた。
(春菜孝明)