クラウドセキュリティー製品などを提供するWiz Cloud Japanは1月22日、事業戦略説明会を開いた。米Wiz(ウィズ)の日本法人として設立して1年が経過し、80社の顧客を獲得。山中直・日本代表は「想像より早いペースで進捗している」と手応えを語った。パートナーは60社で、トレーニングや認定資格といった普及策も広がりを見せる。パートナーとの連携には拡大の余地があり、体制を整えながら市場浸透を加速させる方針だ。
(春菜孝明)
山中 直 日本代表
顧客は大企業をはじめ中堅企業、クラウドサービス事業者などで、好調の背景について山中日本代表は、マルチクラウドやAIによる環境の複雑化で、クラウド環境を可視化してセキュリティーを網羅する同社のCNAPP(Cloud Native Application Protection Platform)製品が訴求できていることが要因とした。製品やサポートの日本語化を進め、金融機関からの要望で金融情報システムセンター(FISC)の安全対策基準に対応するなど市場への投資を続けている。
パートナープログラムでは製品トレーニングを600人以上が受講し、認定資格は200人超が取得した。SB C&SとマクニカがディストリビューターでSIerとの連携も幅広い。2027会計年度からMSSP(マネージドセキュリティーサービス事業者)向けのパートナープログラムが始まる見通しで、事業者との対話も進んでいるという。
「Amazon Web Services」や「Google Cloud」といった米CSP(クラウドサービスプロバイダー)のマーケットプレイスでも、パートナー経由の提供に対応。山中日本代表は「日本のパートナーと深く連携しながらお客様の課題解決に向けて取り組む」と意気込んだ。
同社のプラットフォームは、クラウド環境のセキュリティーを管理する「Wiz Cloud」、開発工程で脆弱性や権限の不備を発見、防止する「Wiz Code」、実行中の脅威をリアルタイムに検知し排除する「Wiz Defend」で構成。ユーザーへは「Cloud」の導入が進んでいるが、「Code」や「Defend」にも運用領域が拡張することで「パートナーとのサービスに組み込むことが必ず出てくる」と見通した。
ウィズはセキュリティーグラフを中核に情報を集約し、単なるアラートではなく攻撃につながる有害な組み合わせを自動検出する点が特徴。新機能としてSaaS領域に監視を拡大する「Microsoft 365 Connector」や、外部に露出している情報と環境内で実際にリスクにさらされている情報を相関させるASM(Attack Surface Management)などを発表しており、優先度の高い脅威から順に対処できる態勢を整えている。
ウィズを巡っては25年に米Google(グーグル)が320億米ドルで買収することを発表しているが、ウィズのソリューションではマルチクラウド対応が維持される見通し。