エンタープライズブラウザーを提供する米Mammoth Cyber(マンモスサイバー)は2026年中のローンチを目指して「エンタープライズAIブラウザー」を開発している。セキュリティーを確保したブラウザー上でのAI利用について独自のアプローチを志向。同社製品はキヤノンITソリューションズが販売代理店となっており、そのパートナー網への浸透を図る。
エンタープライズブラウザーは、セキュリティー機能を充実させた業務利用Webブラウザー。ゼロトラストの思想に基づくソリューションで、従来の境界型防御よりもエンドポイント側で動作する。マンモスサイバーの「Mammoth Cyber Enterprise Browser」は、ネットワーク層では捕捉しづらいログインアカウントの識別や、コピー&ペースト、スクリーンショットなどの個別の操作と内容を把握し、情報漏えいを防止する。
ブラウザーからアクセスするSaaSの制御に加え、IdP(IDプロバイダー)連携によるユーザー認証と、「Mammoth Cyber Cloud」経由のTLSトンネルを通じてアクセス経路を保護することで、社内システムやクラウド上のプライベートネットワークへVPNを伴わずに安全に接続する。
エンタープライズブラウザーの技術に、AI体験を統合したのが「エンタープライズAIブラウザー」だ。ブラウザー画面に対話型AIが常駐。例えば、対話型AIを利用する際、セキュアに社内情報を参照し、回答に反映させることができる。ほかにも、機密データをマスキングした上でAIで集計したり、セキュリティーツールのアラート分析を行ったりするユースケースを想定している。
マイケル・シェ・CEO
マイケル・シェ・CEOは、ブラウザーとAIの業務利用が拡大する一方、コンシューマー向けのAIブラウザーでは入力情報が漏れるリスクや、社内データが活用できないといった課題を指摘し、エンタープライズAIブラウザーの必要性を強調する。VDI(仮想デスクトップ基盤)が不要なことや、SASE(Secure Access Service Edge)よりもコスト面で優れている点も利点だという。
「Mammoth Cyber Enterprise Browser」は、米国などで豊富な導入実績があり、国内でも認知度向上を図っている。導入パートナーにはアクセスポリシーの作成やIdP連携、マネージドサービスなどのビジネス機会がある。「エンタープライズAIブラウザー」はトライアルを進めており、正式なリリースを予定している。(春菜孝明)