インターネットイニシアティブ(IIJ)の完全子会社で、ネットワーク構築などを手掛けるネットチャートは、IoT向けマネージド型エッジゲートウェイサービス「P3EG」(Profile Programmable Proxy Edge computing Gateway)の販売を開始した。IoT機器からのデータをサーバーに応じた形式に変換して接続するとともに、データ欠損を徹底的に抑え、柔軟なIoTシステムの構築と高度なデータ保全を実現する。パートナー経由の販売も想定し、スマートファクトリーや物流・サプライチェーンなどの分野を中心に、2028年までに50件の販売を目指す。
P3EGは、工場などの閉域網において、センサーや制御機器とインターネット上のクラウドサーバーを結ぶゲートウェイのためのソフトウェアフレームワーク。既存のLinuxハードウェアで稼働し、ユーザーの環境に合ったハードウェアを選定してサービスを提供する。
シリアル通信やBluetoothなどの非IP機器にも対応し、取得データはJSON形式などに自動変換して送信する。REST APIを介した双方向通信も可能だ。
一般的にIoTシステムでは、エッジ側の機器ごとに通信方式や取得するデータ形式が異なるため、機器に応じた専用ゲートウェイを開発する必要があり、導入・運用コストの負担が課題となっていた。P3EGはプロキシ機能と独自スクリプトによって、通信方式とデータ形式を定義し、1台で多様な機器からのデータ取得・変換・送信を実現した。送信先に関しても、複数のサーバーに1台で対応できる。
サービスでは「データSLA」をうたい、SLAの対象を従来のシステム稼働率からデータ取得率に拡大した。通信障害やサーバーダウンが発生した場合でも、P3EGがデータをキャッシュし、復旧後に自動再送することでデータの欠損を防ぐ。データは標準で7日間保持され、通信が成功するまで送信を繰り返す。電源が断たれても送信待ちのデータは消去されない。全ての通信成否のログを保持し、欠損の原因究明にも活用できる。
杉山文彦 部長
同日の会見で、杉山文彦・IoT開発部長は、データは価値を生み出す資産になっていると指摘した上で「データが欠損した場合にはペナルティーがある時代に突入している」と述べ、データSLAという概念が求められていると強調した。
パートナーはP3EGに自社のソリューションを組み合わせて提供できる。すでに数社と協業を協議しているという。
(藤岡 堯)