NECは4月24日、記者会見を開き、価値創造モデル「BluStellar」の強化策を発表した。AIによる経営や業務の変革を「AIトランスフォーメーション」(AX)と位置付け、約30種類用意する「BluStellar Scenario」に横断的にAIを組み込む。AI活用に必要な100超の機能群を集約した「AI Platform Service」と合わせ、社会と顧客のAIネイティブ化を加速するインテグレーターを目指す。BluStellar全体での2030年度の目標値を、売上収益1兆3000億円、調整後営業利益率25%へと上方修正した。
BluStellar Scenarioは、顧客の経営課題を起点に、戦略策定からシステム構築、運用・保守に至るまで、最適なオファリングの組み合わせを「型化」したビジネスモデルで、約30種類が用意されている。今回の強化では、全てのシナリオにAIを組み込み、AIが高度な分析や提案、意思決定支援を高速に行うことで業務効率化を図るとともに、AIを前提とした経営変革を支える。
AI Platform ServiceはAIエージェントやAIモデル、コンテクスト付与、データ連携・統合といった多様な機能群を集約。それぞれを組み合わせて、AIアプリケーションやAIエージェントの構築から運用までをフルスタックで支える。さまざまなクラウドやオンプレミス環境への実装に対応する。
パートナーには、ソリューションやテクノロジーを掛け合わせて新たな価値創出につなげてもらいたい考えで、業務・業種に特化した知見を持つパートナーとの連携を深めたいとする。
吉崎敏文 副社長
目標値に関しては、25年11月のIR Dayで27年3月期からの中期経営計画内に売上収益1兆円、調整後営業利益率20%を達成したいとしていた。執行役の吉崎敏文・副社長兼COOは「AIによる激変を踏まえ、十分な確証をもって、数字と年度を改めた」と達成への自信を見せた。
米Anthropic(アンソロピック)との協業は4月23日に発表された。▽ScenarioのAX▽金融・製造・自治体といった日本特有の法規制や高セキュリティーが求められる領域における業種別Scenarioの共同開発▽NECグループ3万人を対象とした「Claude」の展開によるAXエンジニア体制の構築─の3点を柱とする。
会見ではアンソロピックが4月7日に発表したサイバーセキュリティー特化型モデル「Claude Mythos」 への対応も話題に上った。Mythosはソフトウェアの脆弱性を自律的に発見・実証する高い能力を持つとされ、悪用の懸念から、限定的なパートナーへの提供にとどまる。NECがMythosにアクセスできるかどうかについて、吉崎副社長は回答を控えた上で「彼らの新しいテクノロジーを今後活用していくことは協業に含まれている。そのフォーカスにはセキュリティーも含まれる」と述べた。
(藤岡 堯)