実践 新規公開株 投資のポイント

<実践 新規公開株 投資のポイント>2.新規公開株情報

2002/03/11 16:18

 新規公開株(IPO)の情報入手については、数年前まではほとんど出回っていなかった。証券会社の窓口でさえ、NTTやJRなど、多額の資金調達が必要となる大型案件に限られていた。それ以外のIPO銘柄は、証券の営業マンが特定の顧客にだけ情報提供をしてきた。

 情報が出回るきっかけになったのは、金融ビッグバンという旗印のもと、東証マザーズやナスダック・ジャパン市場などの新興市場の誕生や、ディスクロージャーの充実という時代の流れが背景にある。

 従来の紙媒体だけではなく、電子開示の義務づけによって証券取引所のホームページが情報サイトの機能をもつようになった。さらにはネット証券の台頭で、口座獲得のためIPO株の公平な投資チャンスを提供する機会が増加。

 さらには、数多くの証券情報サイトの誕生によって、ホームページを活用すると、IPO情報はそのほとんどを入手することができるようになった。

 企業の上場を新規に承認する各証券取引所では、承認日にホームページで企業名や事業内容、上場スケジュールなど詳細なデータを開示している。IPOの株式を扱う主幹事・幹事証券も明記されているため、どこの証券会社に申し込めばよいのかも確認できる。日本経済新聞では承認のあった翌日に簡略な内容が紹介されている。

 新規承認という初期の情報をもとに、主幹事や幹事証券のホームページを確認すると目論見書が開示されるケースが急速に浸透している。また、上場企業のディスクロージャーも電子開示が進み、IPO企業のホームページでも目論見書を確認することができる。

 IPOとは新規に有価証券を発行(公募)することで、正式には有価証券届出書を財務局に提出するが、その内容を投資家向けに開示したものが目論見書となる。

 目論見書は100ページ前後の冊子であるため、各証券取引所のホームページでは主要な箇所について要約した内容も出されている。

 ホームページにアクセスできない投資家は、新規承認が確認できた段階で、主幹事か幹事証券の本・支店の窓口で目論見書を入手するのが一般的だが、ネット以外の方法では、なお入手が面倒だったり、困難だったりする。そのため、デジタルデバイド(情報格差)の溝はいまでも深い。

 ホームページを活用したIPO情報の入手方法として、まずは各証券取引所、主幹事・幹事証券、IPO企業をチェック。さらに、検索サイトで「IPO」や「新規公開株」というキーワードをもとに情報サイトを活用すれば、いまでは100%とも言える情報を手に入れることができる。
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