携帯と基幹システムをつなぐ

 ソフト開発のアイディーエス(IDS、熊谷卓也社長)は、携帯電話向け認証ミドルウェアで業績を伸ばす。J-スカイやiモードなどの携帯電話(ブラウザフォン)を企業が業務用の端末として採用するとき、最も問題となるのがセキュリティだ。同社は、ここに目をつけた。

 携帯電話のIDとパスワードだけでは安全強度が弱く、企業のセキュリティポリシーに合わない。

 この問題を解消するのが「ワンタイムURL」方式だ。これは、1回だけの接続に有効なURLを接続の度に生成する仕組みで、認証セキュリティが格段に向上する。仕組みは簡単で、①認証サーバーにIDとパスワード、携帯電話固有のメールアドレスの3点を登録する、②IDとパスワードを入れると、携帯電話のメールアドレスにワンタイムURLを送信する。

 こうすることで、①IDとパスワードが漏れても、別の携帯電話やパソコンから接続できない、②携帯電話を落としてもID、パスワードが分からない限り接続できない、③ワンタイムURLが漏れても、2回目以降接続できない状態をつくりだせる。

 昨年12月には、ソニーマーケティングが、自社の営業担当者2100人がもつ携帯電話用に導入を決めた。パスワードを数字だけに簡略化できるメリットもある。

 熊谷社長は、「ノートパソコンやPDA(携帯情報端末)は、携帯電話に比べたら重い。営業担当者が外出先で知りたい情報は、主に在庫情報と納期の2点。これに発注作業や顧客情報などを加えたら、外出先での用件はほぼ足りる。この程度の作業なら、携帯電話で十分」だと考える。

 現に、受発注などの販売管理を処理する基幹業務システムとの繋ぎ込みや、顧客情報を管理するCRMシステムとの連携など、携帯電話を既存システムに接続する案件が目白押しだ。

 8月には、IBMのオフコン(AS /400)や汎用機(S/390)向けのソフトを開発する三和コムテック(柿澤晋一郎社長)と提携し、IBM系の基幹システムを容易に携帯電話へ引き出せるようにした。また、サイボウズやIBM向けにはOEM供給している。

 今年度(03年6月期)は、売上高6億6000万円(前年度比約50%増)、経常利益6600万円(同50%増)を見込んでおり、携帯電話関連のシステムが牽引役を果たす。「同分野で、ここ数年は業績を伸ばせる」と意気盛んだ。アドレスは、http://www.ids.co.jp/。

(安藤章司)