今回のIT減税は「電子計算機減税」である。では、すべてのコンピュータが減税の対象になるかというとそうではない。財務省令の第20条の五の二に書かれている定義に合わない機種は減税の対象にならないからである。CPUの語長だのメモリ容量などの規定があるが、一番の問題となりそうなのが「パソコン組み込み機器」である。(日本パーソナルコンピュータソフトウェア協会(JPSA) 税務委員会委員長 税理士 根岸邦彦(監修))

 例えば「パソコンPOSレジ」というのがはやっている。普通のパソコンに金箱やバーコードスキャナをつけるタイプもあるが、今回対象とするのは「見かけはPOSレジだが中身はパソコン」という機種である。A社の製品を例にとると、タッチパネル式のPOSレジの形をしているが、中身はセレロン733MHzのCPUを搭載し、ウィンドウズ2000によって稼働するパソコンで、通常のキーボードやマウスをオプションで接続できる。

 POSをパソコンで作るのは、専用のハードを開発するよりずっとコストが安いのと、汎用のネットワークシステムが構築しやすいからである。

 この「レジ」の仕様を見ると、メモリさえ増やせば省令の「計数型の電子計算機のうち、処理語長が32ビット以上で、かつ、設置時における記憶容量が256メガバイト(サーバー用のものにあっては、128メガバイト)以上の主記憶装置を有するものに限る」という定義にあてはまる。しかし、それでも減税の適用は「NO」となる可能性が高い。なぜなら、この機械は中身こそパソコンだが、その形態や機能・用途は「POSレジ」であって「電子計算機」ではないからである。

 2002年3月に終了したいわゆる「メカトロ税制」のなかでPOSレジが減税の対象になっており、そこに次のような定義がある。「電子式金銭登録機(専用電子計算機(専ら当該電子式金銭登録機の動作の制御又はデータ処理を行う電子計算機で、物理的変換を行わない限り他の用途に使用できないものをいう)を内蔵しているもの(価格計算機能のみを有するものを除く))」。

 従って「電子計算機」とPOSレジは別物であり、パソコンPOSが「専用電子計算機」で動くレジではなくて「電子計算機」であるという解釈が認められない限り、減税の適用はかなり色の濃いグレーとなる。