これまでのモデルケースで注目できるのは、すべて「ネットワーク・システム」になっているという点である。“世の流行り”と言えようか。ネットワークは複数の電子計算機で構成され、地域的にも分散し、周辺機器については独立で機能するものもある。このようにシステムが複雑化していることから、今回の減税に当てはめると、理解が難しい部分がある。たとえば、第6回で説明した「同時に設置する」と、「付属の」という部分が、その代表例だ。(日本パーソナルコンピュータソフトウェア協会(JPSA) 税務委員会委員長 税理士 根岸邦彦(監修))

 今回は、ネットワークシステム全体をとらえ、特に知っておかなければならない(1)耐用年数、(2)同時設置、(3)単一システムの範囲??について、改めて考えてみることにする。

 まずは、耐用年数の区分についての捉え方を説明する。

 2001年4月1日以前では、電子計算機(サーバー、パソコン)、ネットワークOS、プリンタ、ネットワーク機器(ルータ、ハブ)、LANケーブルなどのネットワーク情報システム機器をすべてまとめて「一の減価償却資産」(会計上、1組の固定資産とみなして取り扱えるもの)として、取得の単位ごとに、6年の耐用年数で減価償却することが認められていた。これは、当時はまだネットワーク情報システム機器が高価であったため、更新の時期が長かったことによるものだ。

 それが、機器の価格低下により更新期間も短くなり、一斉に更新されることが少なくなったことから、「一の資産」として管理する合理性がなくなったので、この取り扱い規定が廃止された。従って、現在は1回の投資であっても、資産の種類別にこれをまとめて、個別に耐用年数を適用して減価償却を行うことになった。

 このように、ネットワーク機器や設備を旧来の区分に当てはめていくと、伝送媒体(ケーブル)の耐用年数に関しては、表のような構成材料から耐用年数表を適用すると、設備本体の耐用年数に比較して長くなるという問題が懸念される。機械は陳腐化するが、ケーブルは長持ちするのは事実としても、あまり合理的な話ではない。

 そこで、ケーブルについては「建物と一体不可分なもの」を除いて、単に各機器を接続するだけのものについては、その接続する機器の付属品として、その機器の耐用年数を適用することができる。

 次は、「同時設置」の範囲だ。IT投資減税の要件である「電子計算機と同時に設置する」ことの意味は、「一の計画に基づいて、本体の設置から相当の期間内に設置する」ことにあるので、ネットワーク・システムの導入計画がシステム機能や、プロジェクトの視点からして単一のものであれば、地域が分散していても、また機器の納期が多少ずれていても、全体としてIT投資減税の対象として認められる。

 「単一システムの範囲」は、少額資産の算定単位は「通常1単位として取引される単位」であって、その目安は「単独で機能できるかどうか」によるとされている。従って、LAN接続によるネットワークの構成要素は、通常は別個の単位として少額資産の判定を行うことができる。