多様化するセキュリティビジネス 各社の戦略を追う

<多様化するセキュリティビジネス 各社の戦略を追う>20(最終回).アズジェント

2003/12/22 20:43

週刊BCN 2003年12月22日vol.1020掲載

 アズジェントは、情報セキュリティ関連製品の開発および販売を主力ビジネスとする。扱う製品はファイアウォールやURLフィルタリングソフトなど5分野で約15種類を揃え、カバーするカテゴリーは広い。いま、力を入れているのがサービス事業の強化。駒瀬彰彦・取締役セキュリティ・ポリシー事業部長は、「製品だけでは総合的なセキュリティ対策は不可能だと5-6年前から感じており、新たなビジネスモデルを模索していた」という。

サービス事業が拡大基調に

■ポリシー策定ソフトでパートナー支援

 3年半程前に、セキュリティポリシー設定やシステムの適切な運用・管理のためのコンサルティングなどのサービス事業を開始。昨年8月には、サービス事業の専門部署「セキュリティ・ポリシー事業部」を約30人体制で組織した。現在は「情報セキュリティマネジメントシステム(ISMS)適合性評価制度」や「BS7799」認証取得支援のためのコンサルティング、有料セミナーを中心に手がける。

 エンドユーザーに直接提供するのではなく、システムインテグレータなどがコンサルティングビジネス提供するための支援サービスがメイン。このため、サービス事業のパートナープログラム「ポリシーアライアンス」を組織しており、メンバーも現在では約15社まで拡大した。

 アズジェントの強みは、セキュリティポリシー策定を支援するソフトウェアを持っていること。自社開発製品で、ポリシー策定をソフトウェアベースで行うことが可能で、「同様の製品は市場にほとんどない」(駒瀬取締役)という。セキュリティ・ポリシー事業部コンサルティング部の緒方純・執行役員は、「パートナーは、ツールを使うことで容易にコンサルティングを手がけられるようになり、手間も省ける。また、営業担当者もツールを使えば分かりやすく説明でき提案力が上がる。コンサルティングビジネスは形がないだけに、ツールを利用することは重要」とそのメリットを説明する。

 現行バージョンではポリシー策定が中心だったが、来春にはシステム運用・管理もカバーする新バージョンを発売予定。サービス事業が占める売り上げ規模は全体の約10%と、「まだまだ製品販売が圧倒的に大きいが、徐々に拡大基調にある。中長期的には売上高の約半分を占めるまでに成長させたい」(駒瀬取締役)としている。(木村剛士)
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