変革セキュリティビジネス

<変革セキュリティビジネス>25.NTTコミュニケーションズ

2004/06/28 20:43

週刊BCN 2004年06月28日vol.1045掲載

 NTTコミュニ-ケションズ(NTTコム)のコア事業の1つに挙げられているのがセキュリティビジネス。2001年から本格的にセキュリティビジネス拡大に向けて準備を進めており、その中心的役割を担うインフラとして開発してきたのが、電子認証サービス基盤「ブレード」だ。

電子認証プラットフォームを開発

 ブレードは、認証プラットフォーム、認証センター、アプリケーション、サービスセンターの4つのユニットで構成。電子認証にいち早く着目して、2年半前から開発に着手してきた。ネットワーク上で本人を特定するPKI(公開鍵基盤)を用いた認証サービス基盤をプラットフォーム化し、各アプリケーションで用いられる電子証明書の発行・管理や個人認証サービスなどを提供する。プラットフォーム化することで、「電子証明書を用いたさまざまなサービスを顧客の要望に応じてカスタマイズでき、迅速、容易かつ安価に提供できることが強み」と、小林伸好・ITマネジメントサービス事業部サービス開発部認証基盤サービス部門長はブレードのメリットを説明する。

 ITベンダーがサービス提供するための基盤として販売を開始したが、昨年10月からは自らエンドユーザー向けにも販売をスタートさせている。「ブレ-ド」を活用したソリューションブランドとして、「セキュアオフィスソリューション」を打ち出し、「入らせない」、「見せない・持ち出せない」、「隠させない」、「意識改革」をキーワードにサービスメニューの拡大を急いでおり、自社ブランドビジネスも積極化させている。具体的なサービスメニューとして、「クライアント電子証明書」を使用したネットワークへのログオンや、証明書をICカードに埋め込むことでのオフィスへの入退出管理、電子ドキュメント制限・管理などがある。

 自社ブランドを強化するために、昨年10月からは販売パートナーを募集し、パートナー支援プログラムも整備した。現在はITメーカーやシステムインテグレータを中心に16社の販売パートナーと契約しているが、販路拡大のために「早急に30社まで増やしたい」(小林部門長)方針。内部情報漏えい対策ニーズの高まりで、認証製品・サービス市場が急拡大しているなか、先行メリットをアピールし、来年度(06年3月期)ではこのブレードを使った電子認証サービスで100億円の売り上げを見込んでいる。(木村剛士)
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