変革セキュリティビジネス
<変革セキュリティビジネス>33.ソリトンシステムズ
2004/08/30 20:43
週刊BCN 2004年08月30日vol.1053掲載
自社開発にこだわる
ログ管理、IT資産管理、アクセス認証など、6ジャンルの製品をすべて自社開発で揃える。セキュリティ専門メーカーでもここまで幅広いジャンルの製品群を自社開発している企業はまれで、ソリトンシステムズのような中堅システムインテグレータが自社開発にこだわるケースは皆無に等しい。もともと、ネットワーク機器の開発・販売を得意としている同社だが、96年から「ソリトンセキュリティソリューション」として、セキュリティ市場に参入。ウイルス対策やファイアウォールなど、「市場が成熟期に入り、ビジネスの旨みがなくなりつつある」(山原執行取締役)分野の製品は他社製品で揃えるものの、自社開発製品が全体の約6割を占めている。IT資産管理ではクオリティ、ログ管理ではエムオーテックスと、各ジャンルで競合するベンダーはいるが、「競合他社が1つのジャンルに特化しているのに対し、カバーする範囲が広いことで包括的にユーザーの面倒を見られることが強み。各製品の連携も容易であり、顧客の要望にも即座に対応できる」と、山原執行取締役は自社開発のメリットを話す。自社開発製品をもとに、製品販売事業と、セキュリティシステムのインテグレーション事業、サービス事業を3つのビジネスモデルで営業展開。製品販売事業が全体の約6割を占め、システムインテグレーション事業が3割、サービス事業が1割となっている。
エンドユーザーとの直接取引が主体だったが、製品の知名度やブランド力が向上したことで、システムインテグレータからも製品の引き合いが増えた。製品販売は、直販メインだった昨年度に比べ、今年度は販売パートナーを通じた間接販売が急拡大。昨年度4割程度だった間接販売比率は今年6割まで拡大し、直販を上回った。「あくまで自社製品があってのシステムインテグレーション事業とサービス事業であり、新たなニーズを掘り起こせる自社製品を継続的に開発・販売していくことが今後も進めていくべき戦略」と話しており、自社開発製品が、ビジネス拡大のカギとみる。(木村剛士)
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