IT Stock Frontline

IPOの人気続く 動き鈍い大型株が影響

2004/10/04 16:04

週刊BCN 2004年10月04日vol.1058掲載

幅広い業種から有望企業登場

 IPO(株式新規公開)は相変わらず好調。初値が公募価格を上回る状況は昨年9月19日上場のファイナンスオール(大証ヘラクレス)から続いており、今年9月21日に上場したウェブクルー(東証マザーズ)で150社連続となった。

 幅広い業種から有望企業が相次いで登場していること、また最近では先行きの景気不透明感から東証1部の大型株の動きが鈍く、それがIPOに関心を向かせる結果になっているようだ。

 9月16日に東証マザーズに上場したソネット・エムスリー、インタートレードはともに公募価格の約2倍の初値をつける人気だった。

 ソネット・エムスリーはソニーコミュニケーションネットワークが大株主で、会員制医療専門サイト「m3.com」を運営。売上高の85%はサイトを通じた製薬メーカーや医薬品卸、医療機器メーカーなどへのマーケティング支援。全国の医師の3分の1にあたる約8万500人が登録。谷村格社長は上場後の会見で「膨大な医師情報を保有する強みを生かし、周辺サービスを強化していく」と語った。

 インタートレードは証券会社向けのシステム開発を手掛ける。金融庁が証券会社にディーリング業務のポジション管理徹底を求めたこと、ジャスダックの市場端末の仕様開放という証券業界の規制を巡る変化をビジネスチャンスに成長。ライセンス、保守料を得られるディーリングシステムを安定収益源に国内外の証券市場を接続するネットワークサービスなどを開発して成長を目指す。

 IT関連企業では10月5日にベリトランスが大証ヘラクレスに上場する。eコマース事業者に対し、クレジットカード決済処理関連のシステムサービスを提供。同社のサービスを利用した店舗の売上高の5%などが収入になる。(有賀勝久)
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