PFU(広瀬勇二社長)は、紙文書を電子化する“紙電子化ソリューション”の今年度(2005年3月期)売上高が前年度比約2倍の4億円に達する見通しだ。来年度(06年3月期)は、政府のIT戦略本部が検討している通称「e-文書法」の施行を見越して、今年度に比べ2倍以上の10億円の売上高を見込む。

紙電子化ソリューション拡大へ

 同社製の業務用スキャナは世界市場で台数シェアが50%強に達するなど、紙文書を電子化する高い技術を持っている。だが一方で、この技術をシステムインテグレーションやサービス・サポートに応用する紙電子化ソリューションビジネスでは遅れ気味だった。ここへ来て、e-文書法などにより、紙文書を電子化する動きが加速していることを踏まえ、得意技術を生かした紙電子化ソリューションビジネスの拡大に力を入れる。

 これまでは、手書きされた各種申請の申込書など紙文書を電子化する“受付業務系の電子化システム”が紙電子化ソリューションビジネス全体の約9割を占めてきた。これに加えて、今後は電子化したのち中長期的に保存し、法的に証拠能力を保持する“保存業務系の電子化ソリューション”を立ち上げる。9月21日から紙文書を電子的に保存するときに欠かせない要素技術とされる「PFUタイムスタンプ・サービス」を開始し、本格的な保存業務系の紙電子化ビジネスに着手した。

 PFUタイムスタンプ・サービスは、企業の電子化された文書がいつから存在したかを証明する「存在証明」や、存在した時点から改変されていないことを証明する「完全性証明」などのサービスを提供するもので、「すでに大手企業を中心に数10社から引き合いが来ている」(紙電子化ソリューションビジネスを担当する灰田博俊・常務取締役)と、旺盛な需要に手応えを感じる。

 来年度の紙電子化ソリューションの売上高は、関連するソフト・サービスのみで今年度比2倍以上の10億円を見込む。これに、紙文書を電子化するときに必要な業務用スキャナや、電子化した文書を保存するストレージサーバーなどのハードウェアを含めると、ビジネス規模は「2倍ほどに膨らむ」(同)と期待を込める。

 また、保存している電子文書が漏えいしないようにするセキュリティシステムに対する引き合いも多い。「文書の電子化と電子保存は世界的な流れ」(同)と、紙電子化ソリューションの拡大に意欲を示す。(安藤章司)