IT Stock Frontline

原油高の悪影響を警戒

2004/10/25 16:04

週刊BCN 2004年10月25日vol.1061掲載

7-9月期決算は収益悪化予想

米市場は景気後退の指標も

 原油相場の高騰が止まらないことから、景気への悪影響が日米両市場で警戒されている。ダウ平均が2か月ぶりの安値水準になった米国市場では、大統領選が買い見送りの要因になっているほか、経済指標に景気後退を示すものが出始めている。

 そうしたなか、企業の7-9月期決算はハイテク企業中心に収益悪化を予想する向きが少なくなかったが、実際フタを開けてみると失速懸念は後退する格好となっている。

 まず注目のインテル。7-9月期の売上高は前年同期比8%増と予想の範囲内に収まったほか、10-12月期の予想については2%減-5%増を示した。特にサーバー用のMPU(超小型演算処理装置)の需要が底堅いことが確認された。

 そして好決算から株価が急騰したのがアップルコンピュータ。7-9月期の売上高は前年同期比37%増、純利益は2.4倍となった。携帯音楽プレイヤー「iPod」の販売数量が201万台と前年同期の6倍に急増、売上高は同社全体の25%を占めるに至った。

 一方、国内でも10月27、28日にソニー、松下電器産業、NECなど大手ハイテク企業の9月中間決算の発表を控えている。

 東京証券取引所の自主ルールでは、収益が従来予想に比べて売上高で10%、利益で30%変動する場合は決算発表に先立ち企業は修正数字を発表しなければならない。この上方修正、下方修正企業の顔ぶれで全体像がつかめる。

 9月中間期の経常利益が70億円と従来予想の44億円を上回ると発表したのが安川電機。半導体、液晶、電子部品関連向けが好調だったという。

 逆に9月中間期の経常利益が9億円と予想の18億円から半減するのがJDL。ハードの売り上げ低迷と税制改正による更新ソフトの売り上げ減少が要因。(有賀勝久)
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