IT Stock Frontline

ソフトバンク、楽天が人気

2004/11/22 16:04

週刊BCN 2004年11月22日vol.1065掲載

プロ野球効果が出た形に

ネット企業の好調さ顕著

 企業の2004年度9月中間決算発表がピークを迎えるなか、ソフトバンク、楽天という代表的ネット企業が人気を集めた。

 ソフトバンクは終値では約1か月ぶりに5000円台を回復、決算発表で順調な利益回復を確認、特に9月単月で営業黒字化を果たしたことが好感された。7-9月期は営業キャッシュフローベースでも66億円の黒字(4-6月は119億円の赤字)を計上。また保有する上場株式の時価総額は直近で1兆5492億円(ソフトバンクの時価総額は1兆7290億円)。

 「ヤフー!BB」加入者数は10月末に454万人に達し、シェアは35.2%。多大な顧客獲得費用を計上してきたが、この顧客資産へのサービスの厚みを増していくことが、同社の今後の利益を大きくけん引するだろう。

 決算説明会では、固定・IP電話を底辺として、無線LAN、ブロードバンドテレビ、ブロードバンドソフトなどのサービスを上乗せしていくビジネスモデルが明確に示された。サービスの解約率も1%台で安定的に推移。「ヤフー!BB」に日本テレコムの606万回線をプラスすれば、顧客基盤はすでに1060万人。今後はブロードバンドテレビのポータルサイトを重視する姿勢だ。

 一方、早くもプロ野球効果が出た形で業績好調が確認されたのが楽天。株価は4か月ぶりに80万円台に乗せてきた。1-9月期は売上高が316億円(前年同期比2.6倍)、経常利益は107億円(同3.9倍)に膨らんだ。証券会社、宿泊予約サイトをはじめとした買収による規模拡大に加え、インターネット上の仮想商店街「楽天市場」の好調が収益拡大につながった。

 「楽天市場」の総販売額の伸び率は8月までの60%台に対して9月以降は80%近くに上昇しており、プロ野球参入表明以降の知名度アップが収益につながっていることを裏付けた。(有賀勝久)
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