IT Stock Frontline

インテル、好業績の見通し

2004/12/13 16:04

週刊BCN 2004年12月13日vol.1068掲載

HDD関連企業に恩恵

アップル株の上昇も話題

 「インテルがくれたクリスマスプレゼント」──。東京市場のもたつきを横目に順調に上昇をたどる米国市場。ハイテク株の比重の高いNASDAQ平均は、相次ぐ好材料の浮上で今年1月以来の高値水準に上昇しているが、今度はインテルの好業績見通しが株価を押し上げた。

 インテルが12月2日に発表した10-12月期業績見通しは売上高が93億-95億ドル(当初予想は86-92億ドル)。複数のアナリストは90億ドル超の売上高を予想していたが、その楽観的予想をさらに上回るものだった。市場シェアの70%以上を支配する世界最大のMPU(中央演算処理装置)メーカーのインテルのこの強気見通しのインパクトは大きい。

 また、米国ではアップルコンピュータの株価上昇が話題になっている。9月末に38ドルだった株価は10月末には50ドル台に乗せ、12月初めには67ドルまで上昇。株価を押し上げているのは携帯音楽プレーヤ-「iPod」の爆発的な売れ行き。

 その「iPod」を支えているのが小型HDD(ハードディスクドライブ)で、独壇場にある日本企業。

 外部記憶装置のHDDはかつてはパソコン向けが中心だったが、小型化とともにデジタル製品への用途が広がっている。「iPod」には1.8インチ、「iPod mini」には1.0インチのHDDが使われ、来年末発売予定の「iPod micro」には0.85インチが使われるが、1.8インチ以下は東芝、日立製作所など日本企業がほぼシェアを独占している。

 HDDはパソコンを上回る成長が予想されるだけに、日本のハイテク企業が世界的に関心を集める可能性もあろう。

 HDD関連ではほかに、モーターの日本電産、ヘッドのTDK、アルプス電気、ハードディスクのHOYAなどが恩恵を受けるとみられている。(有賀勝久)
  • 1