未来を紡ぐ 挑戦するソフト開発企業 

<未来を紡ぐ 挑戦するソフト開発企業>21.セキュアブレイン

2005/03/28 20:43

週刊BCN 2005年03月28日vol.1082掲載

“日本発”のフィッシング対策ソフト

 セキュアブレイン(成田明彦社長兼CEO)は、シマンテックの社長を務めた成田社長兼CEOが昨年10月に設立したソフトベンチャー。社員もほとんどが元シマンテックメンバーだ。セキュリティ大手で培ったノウハウと経験をもとに開発する製品が、インターネット上の詐欺であるフィッシングの対策ソフトだ。

 今月、UFJ銀行とみずほ銀行のウェブサイトを偽って、オンラインバンキングで使うIDやパスワードを盗み取ろうとするサイトが相次いで発見された。経済産業省もフィッシングサイトの増加を重く受け止め、2月上旬、フィッシングに関する情報収集と一般消費者への啓蒙活動のために「フィッシング対策協議会」を設置した。フィッシング詐欺は、情報セキュリティのなかでも、より問題視されているわけだ。

 セキュアブレインは、4月上旬にフィッシング対策ソフト「フィッシュウォール」をリリースする。自社のウェブサイトがフィッシングサイトではなく正式なサイトであることを証明できるツールで、法人向けに販売する。“日本産”にこだわり、ソフトの開発は、すべて自社の日本人スタッフで行ってきた。

 セキュアブレインが無償で配布するクライアントモジュールをインストールしたパソコンでは、ブラウザ上でフィッシングサイトを開くと警告が出て、またフィッシュウォールを導入した企業など正規のウェブサイトだと判断すれば正規のサイトであることを知らせる仕組みだ。

 独自のフィッシングサイト検出と認証技術で、「世界的に見ても同様のソフトは存在しない」(田島久行・取締役テクニカルディレクター)ソフトに作り上げた。

 今後、自社営業とともに販売パートナーを募り、間接販売を手がけていく。クライアントモジュールの配布では、自社ウェブサイトからのダウンロードだけでなく、他のセキュリティソフトへの組み込みや、パソコンメーカーへのバンドルを計画。提供開始後1年間で、500万クライアントへの配布を目標に掲げる。

 他のソフトの投入は当面予定していない。フィッシュウォールだけで、年間1億5000万円の売上高を目指している。

 中長期的な目標はグローバル市場への進出だ。もともと、「世界で販売していくことを意識して開発している」(田島取締役)だけに、日本での販売が軌道に乗り次第、米国市場を手始めに世界に打って出る。

 フィッシングという特定分野を絞るものの、市場は日本だけでなく世界に置いている。世界で実績のある日本製ソフトは皆無。セキュアブレインは、フィッシング対策ソフトのナンバーワンをグローバル市場で獲得していく考えだ。(木村剛士)
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