未来を紡ぐ 挑戦するソフト開発企業 

<未来を紡ぐ 挑戦するソフト開発企業>40.ウェブエックス・コミュニケーションズ・ジャパン

2005/08/15 20:43

週刊BCN 2005年08月15日vol.1101掲載

ウェブ会議システム用ソフトを提供

 ウェブエックス・コミュニケーションズ・ジャパン(田野豊代表取締役)は、ウェブ会議システムを構成するソフト群を豊富に開発している。

 ウェブ会議システムは、パソコンとインターネット、ウェブカメラ、マイクがあれば、パソコンのモニタを通じて、遠隔地の相手と顔を見ながら会議ができる。ただ、実際の会議では、パソコンを使いプロジェクタで資料を見ながらであったり、紙の資料を参考にしながら会議を進行している場合が多い。お互いの顔を見ながらの音声通信だけでは、スムーズに会議が進まないケースが多い。

 同社では基本的なウェブ会議機能に加え、ドキュメントやアプリケーション、デスクトップ画面の共有をモニタ上で行えるようにした。画面上で参加者の顔を見ながら、プレゼンテーション資料を会議参加者全員が共有し、音声通信やチャットで意見を交換することができるわけだ。参加者のパソコンを遠隔地から操作したり、ウェブ会議全体の録画、データ転送も行うことができる。実際の会議に限りなく近づけるための機能づくりに努めている。

 また、対応するブラウザは、「インターネットエクスプローラ」のほか4種類、OSはマッキントッシュやLinuxなど5種類で、「ここまで幅広く対応しているのは当社だけ」(田野代表取締役)と自信を見せる。

 ビジネスモデルも工夫した。アプリケーションは、すべてブラウザ上から利用するASP(アプリケーションの期間貸し)サービスとして提供。すべての機能を利用できるサービスメニューは、1ユーザー月額2万2000円。分かりにくさの解消と導入しやすさをアピールするため、サービスとしての提供に徹する。

 販売は、直販と代理店経由の2つ。販売パートナーには、三菱商事やNTTコミュニケーションズなど大手6社が名を連ねる。それでも、直販は継続していく計画で、その理由を田野代表取締役は、「ユーザーの声をダイレクトに聞くため」と説明している。

 パートナーの営業担当者と直販営業が市場でバッティングすることを防ぐため、「パイプライン」と呼ばれるパートナーとの情報共有の仕組みを整備。直販の営業の進捗やアプローチ先を迅速に開示することで、住み分けを図っている。

 「昨年末からウェブ会議システムの必要性を感じている企業が急激に増えた」と田野代表取締役は実感しており、パートナーも従業員数も現在の2-3倍に増やし、ビジネス基盤の拡大に動き出している。(木村剛士)
  • 1