IT Stock Frontline

いぜん強い新規公開株の人気 インターネット関連株に注目

2006/01/02 16:04

週刊BCN 2006年01月02日vol.1119掲載

短期間で収束した売買発注ミスの影響

 12月8日に新規上場したジェイコムに対する証券会社の売買発注ミスが波紋を広げた。結局、ジェイコム株の買い手に強制的な決済を求めることになったが、問題は同様の誤発注トラブルが2001年の電通上場時にも起きていたこと。幸い市場全体への影響は短期間で済んだものの、単純ミスがそのまま市場で執行されてしまうという危険性を払拭することが必要だろう。

 さて、12月も幅広い業種から新規公開株が登場、IT関連の成長企業も人気を集めた。

バルク(名証セントレックス)はプライバシーマークやISMSの認定取得コンサルティングを行うほか、ネットを使ったマーケティングリサーチも手がける。両事業とも目で見えないノウハウビジネス。顧客の説得が難しく「このあたりをカバーする社会的な信用、知名度上昇が上場の目的の一つ」(村松澄夫社長)という。

 ネットワークバリューコンポネンツ(東証マザーズ)は、ネットワーク関連製品の企画開発から輸入販売、ネットワーク構築などを手がける。業界最大手シスコの製品を取り扱わず、自社で探索・開拓した海外新興メーカーの製品群を取り扱うのが特徴。他社が価格競争による利益率低下に苦しむなか、新製品での市場開拓を経営方針としている。国内1次代理店契約を結んでいる中国最大の通信機器メーカー「HUAWEI」製品は、価格競争力を強みに「シスコのシェアを着実に奪っている」(渡部進社長)という。

 ソニーコミュニケーションネットワーク(東証マザーズ)は、「So-net」のブランド名でインターネット接続事業とポータルサイト運営などを手がける。「So-net」の会員数は今年9月末で281万人。設立当初から周辺事業を育成しており、子会社や関連会社にはソネット・エムスリー、DeNAなどがある。(有賀勝久)
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