未来を紡ぐ 挑戦するソフト開発企業 

<未来を紡ぐ 挑戦するソフト開発企業>61.サイバーソリューションズ

2006/01/23 20:43

週刊BCN 2006年01月23日vol.1122掲載

台湾企業と共同でパッケージ開発

 パッケージソフト開発・販売のサイバーソリューションズ(秋田健太郎代表取締役)は、台湾のソフト開発会社と共同開発体制を整えたことで、自社開発者は10人以下ながら、約10種類のパッケージソフトを創業わずか6年で揃えてきた。

 同社の販売するパッケージソフトは、「台湾のソフト開発会社であるオープンファインドテクノロジーとの共同開発製品がほとんど」(土本功・戦略マーケティングチームマネージャー)という。オープンファインドは約100人の開発者を擁している。自社の開発者は10人にも満たないにもかかわらず、約6年間で約10種類のパッケージソフトを揃えることができた理由は、ここにある。

 両社の共同開発製品は、日本市場ではサイバーソリューションズが販売し、台湾市場では、オープンファインドが製品名を変えて販売している。

 ラインアップのなかでも主軸になっているのは、企業内情報システムのデータ検索ツール「Cyber Finder」と、メールサーバーソフト「Cyber Mail」の2製品。検索とメール、セキュリティという3ジャンルにポイントを置いて約10種類のパッケージソフトを持つが、この2製品で売上高の約80%を稼ぎ出している。

 特に「CyberFinder」は、2000年の発売以来、好調に推移しており、従業員数1000-3000人規模の中堅企業を中心に500社に導入した。大塚商会、NECグループを中心とした約40社で構成する販売代理店網を構築して、間接販売を主な販売方法としている。

 「Cyber Finder」は、情報システムに点在するさまざまなデータを探し出すことができるツール。HTML、PDF、マイクロソフトやジャストシステムのオフィスソフトで作成されたデータ、CADデータなど多彩なデータフォーマットに対応していることと、導入費用が50万円からという低価格性が顧客拡大の要因と分析している。

 また、土本マネージャーは「大掛かりな文書管理システムはコスト、期間の面で導入できないが、データ共有はしたいというニーズから、検索ツールを情報システムに導入するケースが増えてきた」と、最近の顧客ニーズを解説する。

 企業規模は大きくなく、潤沢な開発体制を持っているわけではないが、強力なアライアンスを組むことでカバーしているサイバーソリューションズ。今後も共同開発体制を武器に、パッケージソフトの品質向上とラインアップの拡充を進めていく。(木村剛士)
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