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市場は四半期決算を好感 ソニー復活が刺激に

2006/02/13 16:04

週刊BCN 2006年02月13日vol.1125掲載

業績重視の銘柄選別が進む

 株式市場はライブドア・ショックから短期間で立ち直り、日経平均は早くも昨年来の高値に上昇してきた。鉱工業生産指数、消費者物価指数など発表される経済指標は景気回復やデフレ脱却を示し、それが株価上昇を支えている。また、企業の05年10-12月期決算が期待通り好調なこともプラスに働いている。

 ライブドア事件以来、業績重視の銘柄選別が進み始めているなかで、タイミングよく好材料が出たのがソニーである。

 第3四半期(05年10-12月)の決算発表時に通期の見通しを上方修正。売上高を従来予想の7兆2000億円から7兆4000億円に、営業損益を200億円の赤字から1000億円の黒字へと修正した。主力のエレクトロニクス分野で液晶テレビ、パソコンが予想を上回ったほか、円安も寄与した。液晶テレビの戦略商品である「ブラビア」は米国でトップシェアを獲得するなど好調。国内シェアも25%程度まで上昇している。生産拠点の閉鎖、人員削減などのリストラ策は順調に進んでいるといい、アナリストからは、「08年3月期に営業利益4000億円という再建計画の達成は現実味を帯びてきた」との見方が出ていた。ソニーの株価は02年7月以来の6000円台に上昇した。

 「ソニーショック」という言葉が聞かれたように、個人投資家に人気の高いソニーの業績悪化が株式市場全体にマイナスに作用するケースがあった。しかし、今回は逆にけん引する格好になった。

 半導体、液晶分野の電子材料企業の株価も上昇している。06年はグローバルベースでみた半導体の生産が前年比で10%前後の増加となる見通し。また、液晶パネルの生産は薄型テレビ市場の拡大、パソコン向けの増加などで面積ベースで40%程度の増加が予想される。液晶パネルについてはソニーと韓国サムスン電子が3000億円を投資して第2工場を建設する計画。活発な設備投資が関連業界を潤すことになる。(有賀勝久)
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