IT Stock Frontline

新規上場株が明暗分ける

2006/03/13 16:04

週刊BCN 2006年03月13日vol.1129掲載

成長期待のドリコム株は急騰

失速組の一方で買い殺到も



 IPO(株式新規公開)企業の株価は総じてさえない。2月には24社が新規上場。すべての銘柄の初値が公募価格を上回ったものの、上場後に株価が失速してしまうケースが多い。新興市場はライブドア・ショックの影響が尾を引き、投資家は警戒心を持っている。

 そうしたなかで、人気沸騰となったのが2月9日に東証マザーズに上場したドリコム。ブログ事業と検索エンジン事業を手がけており、成長力に着目した買いが殺到した。公募価格76万円に対して初値は347万円。その後637万円の高値をつけ、この時点での時価総額は1200億円を超えた。

 法人向けにブログ用システムを提供、オリコンDD、ゴルフダイジェスト・オンラインなどへの導入実績がある。検索エンジン事業は、ブログページにある文章に最も関連する広告を自動的に表示する「ブログクリック」を提供。サイバーエージェントが獲得した顧客に、ドリコムが検索エンジンを提供、広告売上高に応じた技術ライセンス収入を得る仕組みをつくった。 ドリコムに続き期待が高いのが3月15日に東証マザーズに上場する比較.com。総合比較サイト「比較.com」を運営し、生活に関する比較検索サービスを提供している。現在はIT、生活、旅行、自動車、金融、学習などの6分野、42のカテゴリーがサービス対象。売上高の8割強は広告主からのアフィリエイト(成果報酬型広告)による収入だ。高い費用対効果、効率的な顧客獲得などの利点から、参加企業数が急増、また今年1月における同社サイトの月間総ページビュー(閲覧)数は470万件に拡大している。「アフィリエイト広告市場は、今後、年率50%の成長が見込まれる」(渡邉哲男社長)としており、同社の成長力を株式市場がどう評価するかに関心が集まる。(有賀勝久)
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