ソフト販売に重心移す

売り上げ減も利益は拡大

 コンピュータ販社からソリューション力を身につけたSIerに生まれ変わり、経常利益率を着実に向上させているのが、富士通ビジネスシステム(FJB、鈴木國明社長)だ。富士通系のビッグディーラーで、1999年に東証第一部に上場した。

 今年度(07年3月期)中間期の業績は、2年前に比べて売上高が約9%落ち込んでいる。だが、経常利益額は約2.3倍に急増した。売り上げは下降傾向を抜け出せないでいるものの、利益は伸びている。その理由は、利益率の高いソフトウェアサービス事業の売上高が、利幅が薄くなったハードの販売および保守サービスよりも大きくなっているからだ。

 昨年度中間期には、ソフトウェアサービスの売り上げが全売上高の48.2%を占め、ハードおよび保守サービス合計の売上高(全体の44.9%)を上回った。今年度中間期ではさらに差を広げ、ソフトウェアサービス事業の売上高は50.7%。半数を超えるまでになった。

 FJBは、全国を網羅する販売体制を敷き、営業力が強く他のSIerよりもハードの販売額が大きいという特色をもっていた。しかし、ハードはオープン化の進展により価格下落が続いている。保守サービスの単価も、ハード価格と比例するのが一般的なため、ハードの価格が下がれば自然と落ちる。従来のビジネスモデルでは、利益率が下がっていくのは避けられなかった。FJBはこの状況から抜け出すため、ハードの販売台数を下げずに、ソフトウェアサービス事業の強化に乗り出していたわけだ。

 FJBがセグメントしているソフトウェアサービス事業とは、ソフトウェアプロダクトの販売ほか、システム構築や運用監視、ITアウトソーシングなどのマネジメントサービスを総合してこう呼ぶ。

 ただ、この分野はどのSIerも柱に据えている激戦区。そのなかで、FJBはどうやって競合他社に勝ち、利益率の高い案件を獲得し売り上げを伸ばしているのか。

 その要点は、自社開発パッケージを中心とした独自ソリューションの拡販と、顧客を業種ごとに区分してターゲットを絞り込んだ“コンサル型営業”の徹底にあった。