品質向上で利益率高める

Vista対応の手直し需要が追い風

 大和コンピューター(中村憲司社長)は昨年9月、ジャスダック証券取引所に株式上場した。昨年度(2006年7月期)の営業利益率は17.8%。業界平均を大きく上回る。

 今年度中間期(06年8月-07年1月期)はソフト開発が順調に進んだことなどから当初予想を上方修正。新OSのWindows Vistaへの対応で業務アプリケーションを手直しする需要が高まったことも追い風になった。

 今年度連結売上高は約20億円、営業利益は約3億5500万円を見込む。企業規模は決して大きくはないが、着実に利益を出せる体制を整えてきた。

 05年にはソフトウェア開発の成熟度の高さを示すCMMIレベル4を達成。中堅のSIerでは珍しいレベルの高さだ。品質向上と生産性の改善を通じてバグの発生を極力抑えてきた。バグが出なければ作り直しやこれに伴う納期の遅延もなくなり利益率が高まる。

 主要な顧客は大手のSIer。元請けとなってエンドユーザーから直接受注する比率は高くない。ユーザーからの値下げ要求は元請けのSIerを経由して同社にも影響することもある。「価格の交渉は日常茶飯事」(中村社長)だが、それでも高い利益率を叩き出せるのは、不良品を出さないようソフト開発のプロセス改善に努めてきたからこそだ。

 昨年度の外注比率は10%程度で大半を社内で開発している。純粋な技術者集団で新しい技術の習得にも積極的に取り組んできた。「同業他社では、まねのできない技術や納期、品質を保てるかどうかが勝ち残る唯一の道」と社内を説いて回る。

 似たような規模のソフト開発会社は山ほどあるが、「この品質、この納期でやれるのは大和だけだ」と顧客に認められることで伸びてきた。

 だが、受注が増えるにつれて開発リソースの確保が大きな課題になっている。今のペースでは近い将来、人手が足りなくなり売り上げが頭打ちになる可能性も否定できない。

 解決策として今年5月には東京、大阪、沖縄に分散していたソフト開発子会社を合併。沖縄に集約していくことで開発効率を高める。海外ではベトナムのホーチミン市に100%出資のソフト開発子会社を昨年設立。オフショア開発への布石を打った。

 品質を確保する能力のある協力会社を国内外で増やすことでリソース不足の解消を進めるが、伸び悩みを防げるかどうかは依然として不透明感が残る。