ソニーの株価上昇が刺激

 ソニーの株価が5年ぶりに7000円台に乗ったことが刺激になり、NEC、富士通の大手ハイテク株も久しぶりに人気を集めた。2社ともに業績の回復が鈍いこともあって昨年来株価は低迷していたが、それぞれ新たな材料が出たことが株価にインパクトを与えた。

 富士通は、ブロードバンド通信機器の富士通アクセス(東証1部)、半導体商社の富士通デバイス(東証2部)、富士通ワイヤレスシステムズ(非上場)の3社を8月1日付で完全子会社化すると発表した。また、通信機器事業の生産・販売を一体化させる組織変更を行うことを明らかにした。大型合併などで競争が激化している海外市場での競争力強化が狙い。こうしたリストラ効果への期待が株価に反映された。

 一方、NECは業績回復予想を好感して株価が急騰。2007年3月期は半導体事業の不振や欧州での個人向けPC事業売却などで売上高は前の期に比べて6%減、連結営業利益は4%減の699億円と低迷したが、08年3月期は営業利益1300億円(前期比86%増)と急回復を見込む。

 収益が悪化していた子会社のNECエレクトロニクスが前期の営業赤字286億円から収支がトントンにまで回復する見通しのほか、半導体、携帯電話ともに採算改善を見込む。とはいえ、会社側の業績予想には懐疑的な見方も少なくない。例えば、主軸のIT・ネットワークソリューション部門は今期の営業利益を1740億円(前期比10%増)と予想しているが、NGN(次世代ネットワーク)関連の売上高が2000億円と前期比倍増することが条件。現段階での受注動向からすると厳しい目標になる。

 富士通、NECともに好材料に株価が反応したが、上昇トレンドが続くかどうかは次の成長戦略が明確になり、稼ぎ頭の事業部門が育つかどうかの見極めが必要だろう。(有賀勝久)