IT Stock Frontline

「iPhone」関連が人気

2007/07/30 16:04

週刊BCN 2007年07月30日vol.1197掲載

恩恵享受の企業を探す動き

 6月29日に米国で発売され、爆発的な人気になっているアップルの「iPhone」。株式市場では、その好調ぶりの恩恵を受ける企業を探す動きが出ている。

 6年ぶりに株価が1000円台に乗せて人気が高まっているのが東芝だ。「iPhone」の記憶媒体として使われるフラッシュメモリでは世界最大手。すでに同社の中核事業になりつつあり、2008年までに7割の増産を計画するなど重点投資する。  

 「iPhone」向けの製品納入については各社とも「コメントできない」と口を閉ざしているが、例えばフォスター電機は、「iPod」のヘッドホンをアップル社に納入しており、「iPhone」向けの生産を行っているのはまず間違いない。

 このほか、東芝松下ディスプレイテクノロジーやシャープが、タッチスクリーンディスプレイで関係しているとの観測がある。携帯電話向けの部品で実績のある村田製作所、ヒロセ電機、エプソントヨコムなども納入の可能性がある。

 NTTドコモ、ソフトバンクなど携帯電話各社についても、関心が集まっている。通信方式が異なるため端末の開発が必要で、発売は早くても08年以降となりそうだ。

 当のアップルの株価は上昇が続いている。7月18日は138ドル台と年初から60%超の上昇となっている。「iPhone」発売以外のニュースでは5月以降だけでも、「アップルTV」が「ユーチューブ」からコンテンツ提供を受けることで合意、ノートPC「マックブックプロ」の新製品発売など好材料が相次いでいる。01年発売の「iPod」によってPCメーカーから脱皮した同社。今回の「iPhone」のヒットによって業態がさらに広がる可能性がある。7月末に発表される4-6月期決算についても期待が高まっている。(有賀勝久)
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