IT Stock Frontline

ハイテク企業の決算は好調

2007/08/13 20:37

週刊BCN 2007年08月13日vol.1199掲載

任天堂の時価総額は8兆円に

 ハイテク企業の4-6月期決算が出揃った。

 収益の回復が注目されたのはソニー。4-6月期の営業利益は993億円と前年同期の3.7倍に膨らんだ。デジタルカメラの好調ぶりやビデオカメラの高級機種投入などで、エレクトロニクス部門が営業利益841億円(前年同期比77%増)と稼いだのが全体を引っ張った。価格下落が想定以上に進んだ液晶テレビや「プレステ3」の販売が冴えないゲーム事業は営業赤字。それでも代表的なハイテク株として人気が高いソニーの“復活”を期待してか、決算発表後の株価は強調子。

 そのソニーにゲーム機戦争で圧倒的勝利を収めた任天堂は驚異的な好決算を発表。世界での累計販売台数が7月に1000万台を超えた「Wii」や欧米での販売がこれからピークを迎える「DS」の好調が続いており、2008年3月期の経常利益予想を4100億円(前期比42%増)とした。これは前回4月末時点の予想を1200億円上回る。決算発表を受けて株価は初めて6万円台に乗せ、時価総額は8兆円(全上場企業中で7位)とキヤノンに迫ったことも話題となった。

 事業の「選択と集中」で業績拡大期に入ったのが東芝だ。フラッシュメモリが拡大。アップルの「iPhone」への搭載などで価格下落に歯止めがかかったほか、高性能品生産のための先行投資が実って韓国サムスン電子からシェアを奪っている。07年9月中間期の営業利益は700億円(前年同期比7%増)と従来予想に300億円上積みした。

成長力が鈍化したのがヤフー。4-6月期は主力の広告事業、全体の売上高ともに前年同期との比較では15%の伸びとなったものの、直近の1-3月期との比較では減少。「成長持続」を求める投資家からは、期待はずれの声が出ている。(有賀勝久)
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