IT経営コーディネート 企業活性化にITCの妙手

<「IT経営」コーディネート 企業活性化にITCの妙手>14.コロナセントラルサービス編(下)

2007/08/27 20:45

週刊BCN 2007年08月27日vol.1200掲載

部品在庫半減、サービスの迅速性増す

 北海道や北東北の寒冷地にある家屋は、母屋が広く、暖をとるために火力が強い大型暖房機器が欠かせない。しかも、同地域は高齢化が進んでいる。石油暖房機器の修理サービス会社、コロナセントラルサービス(CCC、岩村純人社長)の小阪庄司・専務取締役は「暖房機の故障が発生し、電話してくるユーザーは高齢者が大半。オペレータが電話口で故障原因を突き止めようにも、分からずじまいのケースが頻発した」という。

 連絡を受けたサービスマンは、修理サービスに向かう車に、必要と思われる交換部品をすべて積み込んでいた。この状態では、無駄な部品を揃えておく必要があり、部品供給先から大量在庫を抱える弊害があった。

 今回のシステム再構築で陣頭指揮を執ったITコーディネータ(ITC)の佐々木身智子氏は、国の「IT活用型経営革新モデル事業」に応募することを提案、小阪専務から快諾を得た。まずはサービスマンの生産性を上げるため、NTTドコモの携帯電話の活用を決定。過去にパソコン導入を断念した経緯があり、携帯電話と「QRコード」のデータ読み込みで、部品管理するシンプルなシステムにした。

 このシステムは、修理の依頼を電話で受け、オペレータが「修理依頼伝票」を起票すると、サービスマンの携帯電話に修理内容を配信。サービスマンは修理後、携帯電話で部品に添付された「QRコード」を読み込み、使った部品と価格の「領収書」を小型プリンタで印刷し、顧客に渡す。使用部品データ報告は、瞬時に本社システムに履歴管理され、在庫管理にも役立つという仕組みだ。

 部品履歴は蓄積され、次回の故障でも必要最小限の部品を車に積むだけで済み、修理時間や報告書作成の事務作業などが減った。小阪専務は「在庫は、導入前に比べ半減、年間4000万円分に削減できた」と喜ぶ。

 もう一つの課題であるオペレータ画面の処理スピード遅延に関しては、IT導入を担当したスペースの技術力が生きた。以前のC/Sをやめ、Webサービス対応のリッチクライアントツール「Biz/Browser」を利用して画面を再構築し、バックエンドもLinuxのOSとデータベースに変更。「IE上でいちいちマウスで操作するのではなく、テンキーなどで簡単に処理できる」と、スペースの辻好博・代表取締役。「システム要件に詳しいITC(佐々木氏)のアドバイスがあり、ネットーワーク環境を知り、短期間で仕上がった」という。

 CCCにはこのほか、新規サーバー5台、販売管理ソフトウェア「商奉行」などを導入し、総額約7000万円を投じた。小阪専務は「首都圏のITベンダーは、システムを売らんがために来る。地元ITベンダーは、予算を含め気持ちを汲み取ってくれる」と、ITCと地元ITベンダーの連携形態は今後も利用する意向だ。(谷畑良胤●取材/文)
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