IT Stock Frontline

ネット関連株が人気

2007/10/22 16:04

週刊BCN 2007年10月22日vol.1208掲載

2週間で株価2倍の銘柄も

 大きく下落していた新興株市場が回復をみせるなかで、人気を集めているのがネット関連株。例えば、本紙10月8日号の「scope」欄で紹介したフルスピードは、9月末の60万円台から2週間で150万円台と2倍超に急騰。8月の安値30万円台からは実に5倍の上昇となっている。

 また、ミクシィは6月に実施した1対2の株式分割を考慮すると実質的に過去最高値に近づいている。今年3月に上場したフリービットも最高値に接近し急騰している。

 市場が急拡大しているSEO(検索エンジン最適化)事業のフルスピード、SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)のミクシィ、プロバイダ支援事業のフリービット。この3社がネット関連の新たな主役として人気を集めている。

 そうしたなかで、存在感を高めてきたのがヤフー。株価は9か月ぶりに5万円に乗せてきた。検索最大手として圧倒的な知名度と好業績を誇りながら、株式市場における評価はもう一つだった。しかし、周辺のネット関連株の人気、バナー広告の売り上げ回復傾向などを受けて、株価は重い腰をあげてきた。8月末にはオーバーチュアを完全子会社化、広告配信事業の基盤を強化している。エキサイトやミクシィなど提携有力サイトにも検索連動型広告のプラットフォーム提供が可能となる。また、カカクコムの子会社で旅行の口コミサイトを運営しているフォートラベルとの資本提携をはじめ、各分野のネット企業に出資するなど、媒体力強化のための「囲い込み戦略」を進めており、これも将来の収益拡大につながりそうだ。

 ヤフーの親会社であるソフトバンクの株価も上昇。ソフトバンクモバイルが9月の携帯電話契約の純増数で5か月連続で首位になったこともプラスになった。(有賀勝久)
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