IT Stock Frontline

新市場「NEO」の出足好調

2007/11/26 16:04

週刊BCN 2007年11月26日vol.1213掲載

第1号上場のユビキタスが人気

 ジャスダック証券取引所が開設した先端技術企業向けの市場「NEO(ネオ)」。その第1号企業として、ネット対応ソフト開発のユビキタスが11月13日に新規上場して人気銘柄となった。公募価格10万円に対して、上場初日は買い注文殺到で売買は成立せず。上場2日目で40万円の初値を付けた。

 新市場のNEOは「技術力」による企業の将来性がポイントになり、現在は赤字でも上場できるのが特徴。現行のジャスダックの上場基準が「最終黒字または経常利益で5億円以上かつ時価総額50億円以上」なのに対して、NEOは「赤字の場合は黒字化の見通しを確認」としている。

 第1号となったユビキタスは赤字どころか大幅な黒字企業で、人気化が期待できる&l「大物」が第1号企業となった。2008年3月期の業績予想は売上高が9億3000万円(前期比37%増)、経常利益4億3800万円(同6%増)だが、上場にあたって作成した「マイルストーン開示」では2010年3月期の経常利益の目標を10億円としている。社名が示すようにユビキタス社会実現に寄与するというのが経営ビジョンで、デジタル家電などにインターネット接続を行うためのソフトを開発する。最近では任天堂のゲーム機関連のソフトが好調だ。

 新市場NEOが順調なスタートを切るとともに、ユビキタスの人気は新興市場のネット関連株全体にもプラスに作用している。とくにユビキタス時代の到来で恩恵を受ける企業としてフリービットが人気を集めている。フリービットは新たなサービス開始を発表した。遠隔地にあるパソコンのメールを近くにある携帯電話やゲーム機などで閲覧・操作することができる「My Mail」、遠隔地にある複数のパソコンが共通のLAN上で結ばれたかのように遠隔操作できるサービスなどだ。(有賀勝久)
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