IT Stock Frontline

今年の注目テーマを探る

2008/01/14 16:04

週刊BCN 2008年01月14日vol.1218掲載

有機EL、WiMAX、iフォンなど

 2008年の株式市場で話題になりそうなIT関連、ハイテク関連のテーマをピックアップしてみた。

 まず注目されるのが北京オリンピック(8月8日から24日)。中国の発展を象徴するイベントとして景気拡大をけん引してきたが、オリンピック後も中国は高成長を維持できるのか、日本企業も関心を寄せる。オリンピック関連では、薄型テレビの普及加速、ブルーレイ、HD-DVD規格の次世代DVDレコーダーの立ち上がりなどデジタル家電の販売拡大に期待がかかる。

 薄型テレビに関しては、次世代のディスプレイといわれる有機EL(エレクトロ・ルミネッセンス)を巡る動きが注目される。07年末にソニーが世界初の有機ELテレビを発売したのに続いて、東芝なども参入を計画しており、関連部材も含めて先行きは大きな市場創出が予想される。

 パソコンは、07年のWindows版新Officeに続いて、1月16日にはMac版Officeが日米同時発売の予定で、買い替え需要は堅調を持続しそう。

 免許付与がKDDIを中心とするグループとウィルコムを中心とするグループに決まった「WiMAX(次世代高速無線通信)」。このほか「燃料電池」「太陽電池」などが株式市場でのテーマとして関心を集めよう。

 米アップルの携帯電話「iフォン」の日本販売を巡る動きも興味深い。ソフトバンクに続いてNTTドコモも日本における販売についての交渉を始めた。独占販売となれば、加入者拡大に強力な武器になるだけに、iフォン争奪戦となりそうだ。

 一方、ITサービス分野では、SI企業については欧米に比べて業界統合が遅れているとの指摘がある。規模拡大で生き残りを図ろうとする動きが出るとともに、中国、インドといったアジア企業の日本市場進出にも関心が集まる。(有賀勝久)
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