海外企業の上場受け皿づくり進む

 波乱のスタートとなった2008年の株式市場。IPO(株式新規公開)についても社数の減少が予想されるなど厳しい年になりそうだ。

 07年の公開企業数は121社と06年の188社から大きく減少した。07年1月の「ライブドアショック」以降、新興市場は株価低迷から抜け出せない状態が続き、昨年夏の世界的株価下落によって資金流入は一段と細っている。

 ベンチャー企業の公開意欲は強いものの、上場審査の厳格化に加え、企業は内部統制費用など上場コストの増大が足かせになっている。このため、08年のIPOは100社前後にとどまるとの見方が多い。

 取引所サイドの市場活性化策としては、ジャスダック証券取引所がJDR(日本型預託証券)の上場制度創設を発表しており、海外企業の上場に向けた受け皿づくりが進んでいる。一方では、そのジャスダック証券取引所と大阪証券取引所(新興市場はヘラクレス)の統合をにらんだ協議が年明けから始まっており、乱立する新興市場の再編が進む可能性がある。

 08年にIPOが予想される大物企業としては、IT関連ではないがセブン銀行、三井生命などの名前があがっている。IT関連では人力検索の「はてな」の上場が観測される。

 ところで、07年に上場した121社のうち初値が公募価格を上回ったのは92社。公募価格に対する初値の上昇率トップは不動産のアールエイジの4.1倍。これに続くのがジャスダックNEO市場のユビキタス(4倍)、ウェブマネー(3.5倍)。顧客情報管理ソフトのシナジーマーケティング(2.6倍)、システム開発のアイル(2.5倍)も上位10社に入り、IT関連の人気の高さを裏付けた。また、初値からその後の高値までの上昇率ではフリービットが3倍と上位に入った。(有賀勝久)