IT Stock Frontline

IT関連の成長分野は?

2008/02/11 16:04

週刊BCN 2008年02月11日vol.1222掲載

消費者向けEC、地デジ関連など

 野村総合研究所はIT関連の主要市場の5年後を展望した調査をまとめた。そのなかで、「ネットビジネス」「携帯電話」「放送・コンテンツ」という3つの有望な市場で事業展開する企業を探った。

 インターネットビジネス分野で最も市場規模を拡大させそうなのは一般消費者向けEC(電子商取引)。2007年度の約5兆円が5年後の2012年度には10兆円を突破することが予想される。高成長をけん引するのはモバイル(携帯電話)向けの市場で、今後5年間で7000億円が2兆円に拡大するとみられる。株価的に注目される企業としては、ECサイト構築ソフトのソフトクリエイト、女性向けコンテンツでの高い集客力を武器に物販事業を拡大させているザッパラスなど。ブログやSNSの成長も読まれ、ミクシィなどが注目される。

 携帯電話で市場拡大が予測されるのはモバイルソリューション市場。年率20%超の伸びが続く。「1人1台時代」を迎え、消費者と企業をつなぐ窓口として企業が熱い視線を注ぐ。FMC(携帯電話と固定電話を融合した通信サービス)向けソフトのユビキタス、携帯電話の可能性を広げる技術という視点でACCESS、アプリックス、アクロディアなどに関心が向きそうだ。

 地上デジタル放送は2011年7月には現在のアナログ放送から完全移行の方向。野村総研によると、地上デジタル放送の市場規模は5年後には07年度末の2倍にあたる約2兆2000億円に、IP放送市場は4倍超の約670億円に達する見通し。電気計測器メーカーのリーダー電子は地上デジタル放送関連機器が好調で市場拡大の恩恵を受ける。IP関連では放送局内のネットワークIP化を実現する伝送装置を開発したメディアグローバルリンクス、IP通信テストが主力で足元はWiMAX対応製品が伸びているアルチザネットワークスが注目される。(有賀勝久)
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