IT経営コーディネート 企業活性化にITCの妙手

<「IT経営」コーディネート 企業活性化にITCの妙手>51.ITコーディネータ協会とマイクロソフト

2008/06/23 16:18

週刊BCN 2008年06月23日vol.1240掲載

地域活性化の応援隊を設立

 ITコーディネータ協会や商工団体、マイクロソフトなどITベンダーは6月27日、全国レベルで地域活性化を支援する任意団体を設立する。今年3月までマイクロソフトなどが支援した「IT経営キャラバン隊」で培ったノウハウや「ITコーディネータ(ITC)プロセスガイドライン」などを指導できる人材を全国22大学に講師として派遣。将来の地域活性化を担う人材育成を支援するほか、将来的にファイナンスやベンチャー支援などの機能を追加する計画だ。新設団体の事務局はITコーディネータ協会に置かれる。

 このたび設立される任意団体は、「ICT(情報通信技術)地域活性化応援隊」。ITコーディネータ協会や日本商工会議所、日本テレワーク協会、マイクロソフト、インテルなど12団体・社で構成する。応援隊の会長は、ITコーディネータ協会の関隆明会長、副会長に日本商工会議所の篠原徹・常務理事が着任する。

 応援隊では、06年12月から今年3月まで全国121か所をバスで巡回し約2万2000人の参加者を得たIT経営キャラバン隊で培った人材や人脈、企業などの横のつながりやICTを活用した「IT経営」に向けた取り組みなどノウハウを活用し、内閣府が推進する「地域再生の担い手育成事業」に協力する。

 内閣府の同事業は、地域再生の担い手育成を目的に地域の基幹大学を中心に単位授業として「地域再生システム論」を行っている。同応援隊は、この授業を開く22大学に「ITCプロセスガイドライン」に基づく「戦略策定」手法を活用した地域活性化のための課題抽出や戦略策定まで行える人材育成を支援する。各大学・地域のニーズに応じてITCやマイクロソフトの専門家などを講師として派遣する。

 6月27日には、東京千代田区の立命館東京キャンパスで「第1回地域活性化シンポジウム」を開催。この日は、ITCが手がけた新潟県湯沢町の再生事例を紹介する。この事例は、東北大学の授業で学生向けに紹介され、「学生にも教授にも、大変好評で手応えを感じた」と、授業に参加したITコーディネータ協会の下田邦典・専務理事は語る。また、「地域再生~ICTと人づくり」をテーマに有識者によるパネルディスカッションを行う。

 応援隊を担当するマイクロソフトの秋本則政・業務執行役員は「キャラバン隊は一定の成果があった。ここで得たのは地域で中心的に動くヒトが必要ということ。そのうえで、地域再生に向けたヒトづくりにITCの活動内容は参考になる」と、同協会と連携する理由を説明する。直接的にIT需要を生まない“足の長い事業”だが、「地域活性化にITは必須」(同)と、地道な活動からIT利活用を促すことを狙っている。

  • 1