システム導入で売上高90%増

 下着の企画・販売を手がけるアンドール。同社は市場環境の変化などの影響を受け、手作業で行っていた業務が錯綜。企画から生産までがスムーズに進まない状況を打開すべく、デザイン段階からデジタルデータとしてパーツの画像をデータベース化したシステムを導入した。使用資材や見積もりなどの情報をひもづけて管理し商品生産に必要な帳票を一つのシステムで作成できるようにした。同時に協力工場とのシームレスな情報共有が可能になった。

 2005年からITCの森下勉氏とともにシステム導入に動き出した。その森下ITCと出会ったのと同じ時期に岸村裕子代表取締役はシステム開発ベンダーも併せて探していた。「データベースソフトの『FileMaker』でなら、開発できるのではないかと思い、それをキーワードに開発会社を検索した」と経緯を語る。岸村代表取締役は「問い合わせに迅速に対応してくれたことと、良心的な見積もりであったため、オフィストゥルーに決めた」と話す。

 これまで手書きしていたデザインはすべてデジタルデータにするため、グラフィックソフトウェアで統一した。開発ベンダーであるオフィストゥルーの谷口真悟氏は、「MacOSでのIllustratorとFileMakerの連携実績は豊富にもっているが、今回はWindowsなのでどうなるか不安な部分はあった」と振り返る。使用する部品点数が非常に多く、アンドールが行った登録作業には時間を要したものの、「今度来るまでにこのデータを入力してほしいと依頼しておくと、迅速に対応してくれた」(谷口氏)ため、システム開発のプロセスで困難な点はなかったようだ。

 ただ、システムのバグの1部分を修正すると、想定以上に影響範囲が大きくなってしまい、システムを稼働させながら作り上げていくことになった。そのほかにも、やむを得ず変更を加えることも多くあって、「アンドールさんの協力がないとできなかった」と谷口氏は感想を述べる。

 開発期間はほぼ1年。「File Maker Server8」で開発したため、カスタマイズが容易になるほか、開発費も大手ベンダーに比べて10分の1程度の800万円に抑えることができた。

 システムを導入した結果、デザイナーチームでは、平均残業時間を、月40時間から10時間に大幅短縮できたほか、登録されたパターンを利用して企画開発するため、ファーストサンプル作成の際、工場への依頼書類作成時間が1品番あたり3-4時間かかっていたのを15分とこれも大幅に短縮できた。新規顧客開拓の余裕も生まれ、高級専門店との取引を新たに開拓することができた。通販業者からの受注による売上比率が半分の50%になり、売上高も前年度(08年6月期)比190%の成長を果たした。

 岸村代表取締役は「今後はOEMだけでなくオリジナル商品にも力を入れていって、プライベートブランドをアジア圏に向けて展開していくことを計画している」と意気込む。