年頭所感

【2009年 年頭所感】 IT企業トップの「決意」と「実行計画」 日本システムディベロップメント(NSD)

2009/01/05 20:37

週刊BCN 2009年01月05日vol.1266掲載

顧客第一主義

冲中一郎 社長


 ここ1~2年は予断を許さない状況が続く。メガバンクの基幹システムの統合案件が収束し、今期(2009年3月期)はある程度の減収を見込んでいた。そこへ追い打ちをかけるように世界的な金融危機が国内の実体経済に大打撃を与え、当社のビジネスも少なからぬ影響を受けている。

 かつてのITバブル崩壊の02年頃も仕事が激減し、苦しい思いをした。この教訓から、顧客との関係強化や人員配置を見直すといった改革を積極的に推進。当時と比べれば、今の当社のビジネス基盤は大幅に強化されており、業績への悪影響は最小限に抑えられるものと感じている。具体的には、有力なユーザー企業の内部に深く入り込み、経営課題をともに解決するビジネススタイルをより強化。こうしたユーザーは“一生おつき合いする顧客”という意味で「一生客」と呼んでいる。また、ITバブル時は東京と大阪など主要拠点間の人事異動が少なく、まるで別会社を運営しているような傾向が見られたが、今は仕事量に応じて人員配置を柔軟に変える体制を構築。地域手当てなどの処遇も改善した。

 今期は営業利益率18.5%(前期は20%)と、厳しい環境のなかでも業界平均を上回る水準を維持できる見通し。案件ごとに不特定多数の顧客を渡り歩く水平型のスタイルとは違い、一生客を軸とする垂直型のビジネスは当社の経営の根幹。大型不況のまっただ中でも、顧客第一主義の原点を貫くことでビジネスを伸ばす。
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