年頭所感

【2009年 年頭所感】 IT企業トップの「決意」と「実行計画」 三菱総研DCS

2009/01/05 20:37

週刊BCN 2009年01月05日vol.1266掲載

軸をぶらさない

後藤明夫 社長


 4社連携をベースとする軸をぶらさない。当社は、三菱総合研究所(MRI)と三菱UFJフィナンシャル・グループ(MUFG)、三菱UFJリサーチ&コンサルティングとの戦略的業務提携である「4社連携」でビジネス拡大を進めている。シンクタンクのノウハウや銀行の顧客ベースなどを組み合わせることで、他のSIerとの差別化を図り、また、DCSがこれまで比較的弱かった一般産業分野も大幅に強化する。

 現状を見ると、景気変調による受注の悪化は避けられず、これに三菱東京UFJ銀行の基幹システムの統合案件がほぼ収束したことによる減収要因も重なった。厳しいときこそ基盤固めが大切。当社ではここ2年でITスキル標準(ITSS)のレベル4以上の人材を2倍に増やし、ソフト開発の成熟度を示すCMMIのレベル3も取得した。今期(2009年9月期)は、金融やカード、一般産業向けなど主要なソフト開発部門で同レベル5の取得を目指す。

 MRIやMUFGなどとの連携による産業分野の開拓が本格的に効果を発揮し始めている。昨年度(08年9月期)は金融やカード向けの売上高構成比が約6割を占めたが、将来的には当社売上高構成比を金融系と産業系をほぼ半々の比率に持っていく。当社を含むMRIグループ全体では年商1000億円規模への成長を目標に掲げている。実現には技術力の向上など自らの足腰をしっかり鍛え、成長基盤をより強化する。
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