「地域活性化に地場ITベンダーの果たす役割」とは何か。創刊1300号を数えた「週刊BCN」では、このテーマを掲げて全国巡回取材を敢行し、47都道府県の有力ベンダーの代表者からナマの声を拾った。最終回となる第4弾をお届けする。  地域経済格差が広がるなかで、地場の中堅・中小企業を活性化させる“源流”となるのはITであることを確信している。地場ITベンダーが地域活性化で果たすべき役割はますます大きくなっている。はたして各社は、この重要な役割にどう応えているのか──。

角 一幸 副社長
 TKCの主要な顧客は、会計事務所と地方公共団体である。とりわけ会計や税務の領域に強く、競争優位性を長年保ってきた。会計事務所は企業会計を司り、納税の申告業務も担う。一方、自治体は税金を徴収する側。当社は納税側と徴収側の両方の業務システムに精通している。どちらか片方だけに強いSIerは多いが、両方で高いシェアを獲得しているのは当社だけと自負している。

 ASPやSaaSにも、業界に先駆けて取り組んできた。受託計算時代から始まって、基幹業務システムのアウトソーシング、そして現在はASP/SaaSの伸びが大きい。サービス型のストックビジネスが下支えとなって、昨年度(2008年9月期)まで30期連続で増収増益を達成してきた。

 一般的に、この領域は会計制度や自治体向けの法令が変わる時は需要が伸び、端境期に需要がへこむ波が大きい。私は長年、自治体の業務システム事業を担当してきたが、制度変更による“特需”的な需要がない場合でも、業績を維持させる仕組みづくりに力を注いできた。ストックビジネス化はその成果の一つだと位置づけている。自治体向けビジネス分野では、「地方税の電子申告システム」のASPサービスが伸びている。市区町村への納税申告を電子化するシステムだが、財政状況が厳しいなかで市区町村が個別にシステムを開発していてはカネがかかりすぎる。そういうことから、安価で利用できるASPサービスがヒットした。

 ASPサービスの販売に当たっては、自治体に強いSIerにも協力をいただいている。08年10月のスタート時は販売パートナーが12社だったのが、直近では43社まで増えた。インテックや両毛システムズなど、ライバル同士のSIerも含まれており、地方税の電子申告のASP/SaaS化にいち早く取り組んできた面を評価していただいたともいえる。

代表者…高田順三 社長
売上高…547億円(連結)
利益率…69億円(営業利益)
主要顧客…会計事務所、地方自治体など
ハードとソフトの比率…9%弱
(地方公共団体事業部門のみ)
県内・県外比率…全国
 今後とも制度改正に伴うビジネスを確実に受注できるた体制をつくると同時に、ストックビジネスをできる限り拡充させることで、引き続き安定成長を目指す考えだ。