IT経営の真髄 ITCの支援で企業はこう変わる!

<IT経営の真髄 ITCの支援で企業はこう変わる!>34.ベルニクス(下) 「ぜひ、応援していきたい」とITC

2011/06/30 16:04

週刊BCN 2011年06月27日vol.1388掲載

 さいたま市に本社を構える電源メーカーのベルニクスが自社開発したITシステムを高く評価しているITコーディネータ(ITC)の渡邉惠氏。「ITCとしてベルニクスのシステム開発を指導したわけではないが、同社が開発したシステムは業種を問わずに幅広く活用できるし、案件開拓型の製造業や多品種を取り扱う商社などに強力な武器となるので、今後の販売展開についてはぜひとも応援していきたい」と語る。

 ITC活動のなかで、新規事業や新製品企画のプロデュースを得意とする渡邉氏は、ITシステムを埼玉県の中堅・中小企業に販売しようとしているベルニクスに対して、「まず、強みを発揮できるターゲット市場を定めるのが重要だ」とアドバイスしている。ITに関してベルニクスと同じようなニーズを抱える企業をリストアップし、「ターゲット市場に絞って、組織的に営業をかけていく」(渡邉ITC)ことがカギを握っているという。

 ITシステムの展開にあたって、指揮を執っているベルニクスの鈴木健一郎常務取締役は、中小企業のニーズに対応すべく、「ITシステムの価格を抑えるだけでなく、これまでパソコンを使用しなかった会社の社員にとっても使いやすいよう、システムをiPadなどの新型端末と連動して、画面をタッチするだけで業務工程を見える化できるようにしたい」と話している。

 自社向けに開発したシステムを他の企業に販売するとなると、たとえ業種が同じでも、システムの細かい部分を導入先の企業に最適化する必要がある。渡邉ITCは、「今後、システムを本格的に販売すれば、カスタマイズの必要が出てくるので、カスタマイズにコストをかけなければならない」と課題を指摘する。また、ベルニクスはITシステムを開発・展開するための専任部隊をもっていないので、渡邉氏は、ITCの智恵や経験を活用することをベルニクスに強く勧めている。「ITと経営を幅広くカバーする得意分野をもつITCがいるので、例えば、サーバーの構築をITCに依頼することができる」といったアドバイスだ。

 鈴木常務によれば、現時点で4社の企業が同社システムの導入を検討しているとのこと。これから先、システムの販売を本格化していく構えだ。「ITシステムは、売り上げの面では電源事業ほどのレベルにはならないと思うが、今後、事業のもう一つの柱として、ITCと組んで、力を入れていきたい」(鈴木常務)と意気込みを示している。(ゼンフ ミシャ)
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