創業1964年の老舗スーパーマーケット「スーパーやまだ」は、神奈川県川崎市の宮前区平に店舗を構えている。宮前区平の近辺は、大型のチェーン店を含めて、スーパーがひしめいている。個人経営のスーパーやまだにとっては、特色を打ち出して競合との差異化を図ることが、経営上の重要な課題である。
スーパーやまだは、お年寄りなど、店舗に足を運ぶことが難しいお客様向けに、10年ほど前から、電話で注文を受けて品物を配達する「もしもしサービス」を実施してきた。このサービスでは、店員が携帯端末やヘッドセットを使って、売り場から「今日は○○が安くなっています」などの情報を丁寧に伝え、注文するお客様は現場にいるような感覚で商品を選ぶことができるという競合店にはないユニークなサービスだ。山田卓社長は、「『もしもしサービス』は、とくに高齢のお客様に人気で、1日平均約10件の注文電話が入ってくる」と語る。
スーパーやまだは「もしもしサービス」を開始するにあたって、電話やファックスをコンピュータシステムに統合するCTI技術を採用したシステムを導入した。およそ10年前にシステムの初代バージョンの導入を支援したITコーディネータ(ITC)の小林勇治氏(イー・マネージ・コンサルティング協同組合理事長)は、「顧客拡大を目指すために、スーパーやまだにもう一歩踏み込んでほしい」として、山田社長にさらなるITの活用を訴求している。
小林ITCは、「今は、商品をオンラインで選ぶことができるネットショップを設けることをお勧めしている。しかし、ネットで注文を受けた品物を配達するのではなく、注文したお客に店まで受け取りに来てもらう仕組みをつくるのが効果的と考えている」という。この仕組みでは、注文する人は自宅でゆっくり製品の選択ができ、スーパーに受け取りに来たときに店員との雑談を楽しめる。便利、かつコミュニケーションを促す買物の方法だ。一方、スーパーやまだは配達作業がなくなり、コストが削減できるので、こちらもメリットが大きい。
小林ITCは、熱弁を振るって、山田社長に、ネットショップの開設を訴えている。(つづく)(ゼンフ ミシャ)

神奈川県川崎市に店舗を構える