岩手県大船渡市に本店を構える大船渡市農業協同組合(JAおおふなと)は、日本IBMの製品を愛用する古くからのユーザーだ。東日本大震災で甚大な被害を受けたが、日本IBMのビジネスパートナーであるシンエイシステム(中島浩章社長)の支援を受けながら、復興に力を尽くしている。また、今回の震災を受けて、先進的な災害対策ソリューションの導入も決めた。
万一に備え、先進の災害対策製品を導入
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JAおおふなと 佐藤準悦 企画部経理課長 |
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JAおおふなと 企画部経理課 吉田昌善氏 |
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シンエイシステム 熊谷健課長 |
JAおおふなとの情報システムは、「IBM System i(現IBM Power Systems)」と4台の「IBM System x」、約150台のパソコンを利用して構築されている。津波による被害は免れたものの、本店周辺は「電気やガス、水道といったライフラインの復旧が遅れていた」(JAおおふなとの佐藤準悦・企画部経理課長)ため、復旧に関連する主要組織を支店に移転した。
ファイルサーバーとして利用する「IBM System x」1台と、パソコン3台だけを持ち出して業務を再開。地震の発生から2週間後のことだった。本店オフィスビル内のサーバールームは無事だったので、1階の瓦礫が撤去された後、本店オフィスビルで業務を再開することができるようになった。
シンエイシステムの熊谷健・営業部課長は、一連の復旧をサポートしていたが、万一の事態に備えた災害対策ソリューションも震災前に提案していた。それがシンクライアントの導入だった。「2年ほど前からセキュリティや業務効率化の観点からワイズテクノロジーのシンクライアントソリューションを提案していた」(熊谷課長)という経緯があるが、「巨大な地震を体験して、災害対策の観点からも必要性を痛感し、導入を早めた」(JAおおふなとの企画部経理課・吉田昌善氏)。
業務再開から新ソリューションの導入まで、シンエイシステムは震災直後の慌ただしいなかでも迅速に手を打ち、JAおおふなとを支えたのである。(木村剛士)