日本IBMの中堅市場戦略

<連載・日本IBMの中堅市場戦略>第10回 ユーザー事例 大船渡市農業協同組合(上)

2011/10/13 20:29

週刊BCN 2011年10月10日vol.1402掲載

 日本IBM(橋本孝之社長)のビジネスパートナーは、国内各地にあり、地方に所在するユーザー企業・団体のIT利用を促進している。東日本大震災で被災した東北地方も、例外ではない。日本IBMのビジネスパートナーであるシンエイシステム(中島浩章社長)は、多くの被災企業・団体を救った。そのなかの一つが、岩手県大船渡市に本店を置く、大船渡市農業協同組合(JAおおふなと)だ。

東日本大震災からの復興に向けて

 JAおおふなとは、大船渡市のほか、陸前高田市と住田町に拠点を置き、岩手県内の2市、1町で営業する。支店は18か所に設置し、組合員数は2万2000人ほど。働く職員数は約330人にも及ぶ。地元の住民や農業従事者を支援し続けてきたJAおおふなとも、東北地方太平洋沖地震による津波の被害を受けた。本店の1階は完全浸水しただけでなく、流された瓦礫や自動車が押し寄せ、入り口を完全にふさいだ。職員は、地震発生後に高台に逃げて無事だったが、自宅が完全に流失して、仮設住宅での生活を余儀なくされている人もいる。

 JAおおふなとは、「AS/400」の時代から日本IBM製品を愛用してきた。情報システムのハードウェアは、日本IBM製品で固められている。基幹マシンとして「IBM System i(現IBM Power Systems)」があり、この上で購買・販売・生産管理、経理、給与、顧客情報管理などの主要業務を支援するシステムを稼働させている。このほかには、x86サーバー「IBM System x」を4台導入。ファイルサーバーやメールサーバーなど、用途に応じて利用しており、本店の事務所ビル内に設置するサーバールームで自己管理している。

 サーバールームは2階に設置し、津波による被害は免れて、情報システムは無事だった。しかし、電気や水道、電話といったライフラインがストップしており、本店でシステムを用いた業務再開が難しい状況だった。そのため、対策本部を支店に移して、組合員支援の取り組みを開始した。(つづく)(木村剛士)

震災直後のJAおおふなとの本店事務所ビル。
大量の瓦礫が押し寄せて、入り口を完全にふさいだ

地震、津波の被害を免れたサーバールーム。
日本IBMのサーバーが複数置かれている

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