底力の発揮

岡本晋 社長
 情報サービス業は、パラダイムシフトと国内市場の成熟の二つの事象が同時進行している。パラダイムシフトでは、大規模なソフトウェア開発案件からクラウド/SaaSやパッケージソフト活用への移行が進み、一方で国内市場をみると、IT投資が再び拡大局面へと向かうかどうかが、極めて不透明な状態となっている。われわれSIerにとってみれば、2012年も引き続きビジネスモデルの変革を推し進めていくとともに、伸びしろがみえにくい国内市場で、いかに勝ち残っていくのかを追求する年となろう。

 「一番じゃなきゃダメですか?」という蓮舫議員のセリフや本が話題になったが、これがきっかけとなり、いろいろ考えさせられたという意味では意義があった。答えはもちろん一番にならなきゃダメだ。最初から二番を目指すような心構えでは、恐らく二番手にすらなれない。ビジネスの世界で一番になるためには、提携戦略や合従連衡を含めたありとあらゆる手を尽くし、ITホールディングスグループの国内外で勤務する社員全員の“底力”を発揮していく必要がある。

 従来型の古典的な多重下請け構造のままでは、国際的な競争に到底勝てない。そうではなくて、一番になり得る規模や体力、誰にも負けない技術力をより一層高めていくことこそが、世界の情報サービス市場で勝ち残る最も有効な方策だと考えている。