年頭所感

【2011年 年頭所感】 ITホールディングス

2011/01/20 20:39

週刊BCN 2011年01月17日vol.1366掲載

混沌からの脱却

岡本晋 社長
 情報サービス産業のビジネスモデルが大きく変わりつつある。とりわけ、経済危機以降の2年余りは、パラダイムシフトといってよいほどの変貌ぶりだ。大手ITベンダーにぶらさがって注文をとったり、客先常駐でソフトの開発業務のみに従事するといった従来型ビジネスの縮小は避けられない。その一方で、クラウド/SaaSやグローバルソーシングが急成長する兆しをみせている。2011年は、こうした過渡期特有の混沌とした状態から頭一つ抜け出して、成長に結びつける。

 2010年4月に中国・天津の最新鋭データセンター(DC)を全面開業したのに続き、10年7月に富山で、11年4月には東京で新しい主力DCを開業させる予定だ。既存DCも含めた累計床面積はおよそ12万m2となり、国内SIerでトップクラスのDCリソース保有量を誇る。今後、需要の拡大が見込まれるクラウド/SaaSやグローバルソーシングの基盤となる設備であり、成長に向けた手を打つことができたと自負している。ひと足早く開業した天津DCは、ライバル他社に先駆けた先行者メリットを生かし、わずか半年余りで初年度の受注目標にめどをつけることができた。

 とはいえ、国内の受託ソフト開発の仕事が完全になくなることはない。この領域でもしっかり勝ち残ることで残存者利益を手にする。クラウドやグローバルでは先行者利益を生かしつつ、既存のビジネスでのシェアも伸ばす。こうした取り組みによって成長を持続させる。
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