変革、そして成長
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| 石橋英次 社長 |
成長を掲げた2011年だったが、残念ながら業績は売上高、利益ともに計画値に対して未達成に終わる可能性が高い。東日本大震災やタイの洪水など、経済を悪化させる要因が複数発生し、それがユーザー企業のIT投資の抑制につながった。それとは別に、東芝ITサービスの主要事業であるIT機器・情報システムの保守サービスは、予想以上に落ち込みが大きかったことも低迷した要因だ。オープン化の流れで、保守サービスの減収は数年前から予想し、計画に織り込み済みだったが、想定を超えた。総じて厳しい年だった。
しかし、2012年以降の成長に向けて布石を打つことができた年でもあった。保守サービスと運用サービスのコールセンターを統合し、その一部の業務を中国にアウトソーシングするなど、コスト削減と業務効率化を図るための組織再編を行った。注力分野の運用サービスを伸ばすための専任営業組織もつくった。業績拡大の新たなキーワードとなりそうな「スマートコミュニティ」では、東芝と連携してスマートコミュニティを形成するための情報システム分野で、当社ができること、ビジネスの可能性について分析を開始した。
2012年の国内IT産業は、大幅に伸びる可能性はないと思う。だが、2011年に進めた施策で着実に成果を出しながら、中期的な理想の姿を描き、変革を要すると判断したことについては、積極的に推進する。