IT経営の真髄 ITCの支援で企業はこう変わる!

<IT経営の真髄 ITCの支援で企業はこう変わる!>71.カーリーズバーリー(下) 海外での販売も検討

2012/03/29 16:04

週刊BCN 2012年03月26日vol.1425掲載

 1年ほど前に理美容専売メーカーとして新たなスタートを切ったカーリーズバーリー。同社ではITコーディネーター(ITC)の小池洋己氏が開発したネットショップでの販売が順調に推移しており、ITを駆使した事業拡大に取り組んでいる。同時に、自社ブランド『e.o.b』で展開する天然系原料を使用したヘアケア商品の開発を進め、製品ラインアップを拡充している。

 小池ITCは、「このネットショップの仕組みをフルに活用するには、商品点数が多いほうがいい」と説明する。同氏は、システムをゼロからすべて一人で設計・開発しているので、複雑な要望にも対応できるのだ。カーリーズバーリーで取締役を務める安藤準氏は「今後、ユーザーが当社製品の評価を語る“クチコミ機能”を加えたい」と考えており、小池ITCとともにネットショップの強化に着手しようとしている。

 安藤取締役は「2~3年をめどに、当社の製品を購入している美容サロンを現在の400店舗から2000店舗に増やしたい」としている。日本全国にはおよそ22万店の美容サロンがあり、まずはそのうち約1%を顧客として獲得する考えだ。また、事業拡大に向けて、ネットショップを強化するだけでなく、販売管理や在庫管理などの社内システムの効率化も図ろうとしている。これを受けて小池ITCは「ERPなどの業務システムを開発・導入した経験をもっているので、販売管理や在庫管理などもネットショップの機能として取り込んでいく」と、今後の活動の展望を語る。

 カーリーズバーリーは、ヘアケア用品の国内での販売に加え、アジアなど海外でも製品の展開を検討している。アジアの国々では天然系原料を使用したビューティー製品のニーズが旺盛で、カーリーズバーリーにとって有望なマーケットとなる。今後、海外展開を踏まえて、システムの多言語対応をはじめ、各国のルールに合わせた決済の仕組みが必要となる。小池ITCは「最初からこれを想定した設計をしており、ノウハウがあるので、海外展開のお手伝いができる」と、カーリーズバーリーの海外戦略を積極的にサポートしていく姿勢を示している。(ゼンフ ミシャ)

『e.o.b.』製品の海外販売も検討
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