シリーズ第4回は、国内SIer最大手のNTTデータの企業系列マップを解説する。NTTデータの企業系列を語るうえで欠かせないのは、グローバル規模で展開してきたM&A(企業の合併と買収)である。日欧米の主要市場で積極的なM&Aを行うことで、世界屈指のSIerへと成長してきた。今年1月からは、世界を五つのエリアに分け、それぞれの地域単位で統括する経営体制へと順次移行し、グローバル規模での企業ガバナンスの強化を進めている。(取材・文/安藤章司)

M&Aをテコに世界屈指のSIerへ

 国内の数あるSIerのなかで、アジアのみならず、欧米を含む主要市場すべてでビジネスを展開する唯一の存在がNTTデータである。

 近年、国内SIer同士の再編や成長著しいアジア市場における合弁事業などが活発化しているが、短期間のうちに世界35か国・地域、136都市に2万6400人ものグループ社員を展開するまで規模を拡大したのは、日本の情報サービス産業史で初めてのことだ。年商10兆円を超えるNTTグループ全体の巨大な企業体力を背景にしているとはいえ、NTTデータに触発されるかたちでグローバル市場へ進出する大手有力SIerが少なからず現れたことは、国内情報サービス業に大きなプラス効果をもたらしたといえる。

 NTTデータは、この地球上のどこへユーザー企業が進出しても、NTTデータの高品質な情報サービスを受けられるというグローバルサービスネットワークの構築に努めてきた。これは、国内のライバルSIerとの差異化を図るだけでなく、これまでIBMやAccentureといった世界グローバル大手に奪われていた顧客を、自らの手で獲得できる体制をつくるためだ。かつては国内が中心だったM&Aも、2000年代後半からは海外へと軸足を移す。

 図にある通り、2008年3月期頃までは比較的緩やかな成長にとどまっていた海外売上高だが、09年からは一気に加速。直近の2012年3月期には、かねてから目標にしていた2000億円超えを達成している。2016年3月期までの中期経営計画の期間中に海外売上高を3000億円以上の規模に拡大していく構えだ。

 企業ガバナンスを強化するため、2012年1月から順次、世界五つの地域統括体制へと移行している。NTTデータは統一ブランドとして「Global One NTT DATA」を掲げ、それぞれの地域のユーザー企業に密着したサービスを提供できる体制を強化する。とりわけアジア地域は日本を含め3極体制となり、中国やASEANの成長市場でのビジネス拡大に力を入れる。