8月23~24日、ITコーディネータ協会が東京・港区で開催した「ITC Conference 2013」で、内閣官房 内閣情報通信政策監、通称「政府CIO」を務めている遠藤紘一氏が「わが国の今後のIT戦略」について特別講演を行った。氏は、「政府と企業がうまく噛み合わなければ、国が考えている政策が実現しにくい」として、中小企業に密着するITコーディネータ(ITC)に協力を求めた。

 安倍政権が今年5月に新設した政府CIOは、内閣官房副長官に次ぐ位置づけとなり、政府のIT政策を統括するポジションだ。内閣総理大臣が率いる「IT総合戦略本部」で、府省横断的な計画の作成や経費の見積もりの作成を担当する。リコージャパン出身の遠藤氏は、6月4日に初の政府CIOに任命された。同氏の講演にITCたちが興味津々の表情で耳を傾けて、ITC活動へのヒントを探った。

 遠藤氏は、国のIT戦略の柱として、公共データの民間開放(オープンデータ)とビッグデータ活用の推進をはじめ、IT活用による農業やその周辺産業の高度化と国際展開、映像産業分野での新事業の創出など、経済の活性化につながる取り組みを紹介した。「今後、IT総合戦略本部で課題や地域を特定し、各省の政策資源を集中的に投入する。国家プロジェクトとして推進し、成功モデルを実証したうえで、日本のノウハウの国際展開も目指す」と方針を語った。

 IT人材の育成にも注力する。遠藤氏は「2010年代中に、すべての小学校、中学校、高等学校、特別支援学校で、教育環境のIT化を実現することに動く。児童から学生、社会人、高齢者に至るまで、年代層別にITに関する知識を身につけるための取り組みを進めていきたい」という。

 遠藤氏は、「政府は、IT活用に注力し、企業がビジネスを展開しやすいような環境をつくる。企業は、その環境を生かして、自ら積極的に新しいビジネスを創出することが重要だ」と訴求した。また、「使い勝手のよくないサービスは利用されない。ユーザーが求めるのは、縦割りを横断するワンストップサービスだ」として、その実現に向けて、ITCの手腕に期待していると述べた。(ゼンフ ミシャ)

8月23日、ITC Conference 2013で講演する遠藤紘一氏