特定非営利活動法人ITコーディネータ協会(播磨崇会長)は、8月23~24日、「いま、イノベーションを実現するITコーディネータ~新たなビジネス創造へのチャレンジ」と題して、年間イベント「ITC Conference 2013」を東京港区で開催した。会場には、全国から数百人のITコーディネータ(ITC)が集まった。

 播磨崇会長は冒頭の挨拶で、ITの新技術の登場やユーザー企業が置かれている市場環境の変化に言及した。「まさに今、イノベーションを起こすことが必要な時期だ」として、会場のITCたちに、IT活用によってユーザー企業の経営革新を支援する役割を担う重要性を訴えた。

 続いて、イノベーション研究の第一人者として、一橋大学イノベーション研究センターの米倉誠一郎教授が、「創発的破壊:イノベーションとパラダイムチェンジ」をテーマにした基調講演を行った。米倉教授は、企業のIT活用が進んでいるオランダを例に挙げて、「オランダでは、年間労働時間が1379時間(2010年)と、比較的に少ないにもかかわらず、一人あたりのGDP(国内総生産)は世界10位だ」という。その理由として、ITの活用によって仕事の効率が高まり、スマートなワークスタイルが生産性の向上につながった、と説明。

 一方、企業でのIT活用が遅れている日本では、年間労働時間が1728時間(2010年)と、オランダよりはるかに長いという。そんななかにあって、米倉教授はITCに向けて、「技術の革新だけではなく、ビジネスモデルの革新を含めた意味でのイノベーションを支援して、経済の活性化につなげてもらいたい」とエールを送った。

 「残念ながら、日本ではITの活用が十分にできていない」──。リコージャパン代表取締役会長などを歴任し、2012年8月から「政府CIO(Chief Information Officer)」として国のIT戦略を統括する遠藤紘一氏は、特別講演の冒頭でそう語った。

 政府は現在、民間企業出身である遠藤氏が率いるかたちで、利用者の視点に立った電子行政と政府情報システムの改革に取り組んでいる。遠藤氏が特別講演で披露した国のIT戦略の詳細を、次号にこのコーナーで紹介する。(ゼンフ ミシャ)

8月23日、播磨崇会長が会場で挨拶